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ISAP2020全体テーマ:

アジア太平洋地域での持続可能な社会構築に向けた公正な移行:COVID-19を越えてより良い未来を創る

持続可能な社会に向けた変革について国際社会では果てしない議論が続いてきましたが、つい最近まで、私たちは大きな行動を起こさず、漸進に甘んじてきました。ところが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による世界的な脅威により、突如として、私たちの社会・経済構造、生活様式、価値観に大きな変化がもたらされました。COVID-19からの迅速な復旧や復興が必要であることは言うまでもありませんが、この状況にあって、いかに私たちの社会をリ・デザインするか、また、私たちの社会をより持続可能なものに変えていくか、考えるべき時に来ています。

同時に、世界規模でのCOVID-19の脅威は、私たちにとって必要なのは単なる「変革」ではなく、持続可能で回復力のある(レジリエントな)社会への公正かつ包摂的な移行でもあることを突きつけています。COVID-19の脅威により、脆弱な環境にある人々、障がいを持つ人々、そして社会的弱者が、危機にあって最も影響を受けることが示されています。これを念頭に置いて、IGESはその戦略的研究の範囲とアプローチを改めて設計し直し、雇用、性別、健康、エンパワーメント、ライフスタイルなど、SDGsの社会経済的側面により注意を払っていきます。

ISAP2020では、世界の持続可能性に焦点を当て、現在および将来直面するリスクに対するIGESの姿勢を明らかにします。同時に、世界がこの地球規模の危機から立ち直れるよう、関連するステークホルダーとのより強力なパートナーシップを呼びかけたいと思います。私たちは、日本政府が主催する「新型コロナウイルスからの復興と気候変動・環境対策に関するオンライン・プラットフォーム」や、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(UNFCCC-COP26)、国連生物多様性条約第15回締約国会議(CBD-COP15)、第5回国連環境総会(UNEA-5)、持続可能な開発に関するアジア太平洋フォーラム(APFSD)、および持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)などの国際的なプロセスへの貢献を続けながら、持続可能で回復力のある包摂的な社会のリ・デザインに向けて、あらゆる努力を重ねていきます。

IGESは現在、第7期統合戦略研究計画(ISRP7)の最終年にあります。今後、IGESは2021年7月に始まる次の4年間(第8期)の研究計画を立てていきます。したがって、ISAP2020は、ISRP8への示唆を得る絶好の機会でもあり、ご参加の皆様からの忌憚のないご意見を伺うことを楽しみにしています。

開催目的

ISAP2020には、次の2つの目的があります。

1)COVID-19への初期対応、復興、リ・デザインのプロセスを念頭に、持続可能で回復力のある、包摂的な社会に向けた 変革に必要な行動について議論する。

2)オンラインツールの使用による革新的なアプローチで、過年度よりも幅広い参加を対象に、さまざまなステークホル ダー間の議論を促進する。