気候変動問題や生物多様性損失に象徴されるように、人間の活動による環境への影響があまりにも大きくなり、人類の生存基盤が脅かされる事態となっています。このような持続不可能な社会のあり方を見直し、持続可能な社会への移行を図る上で、現世代の利益の追求が将来世代の生存権を脅かしているという反省に立ち、将来世代の権利を意思決定に反映する試みが行われています。兵庫県では、県の環境基本計画に将来世代の意向を反映することを目的として、今年6月に大学生や高校生を中心とした若い世代を対象とした未来会議を実施しました。この未来会議は、現世代が将来世代の利益のための思考・⾏動を意思決定に反映するフューチャーデザインの手法を取り入れて行われました。本セッションでは、専門家によるフューチャーデザインの紹介を踏まえ、兵庫県から未来会議の事例を、そして若い世代の活動家から将来世代の意見を国や自治体の政策に反映するための取り組みについてそれぞれ紹介します。その上で、今後の課題などについてパネルディスカッションで議論を深めます。