地球が気候変動、生物多様性の損失、そして環境汚染という“トリプル・クライシス”(三重の危機)にさらされている中、持続可能な社会への変革をどのように加速させていくことができるでしょうか。
私たちはこの問題に対処するため、パリ協定、昆明・モントリオール生物多様性枠組、持続可能な開発目標(SDGs)といった世界目標を掲げ、それぞれにおいて野心的な取り組みを進めてきました。しかし、実際の進展はあまりにも遅く、そして断片的なものとなっています。一方で、これら目標間のシナジー(相乗効果)を最大化し、トレードオフを最小化することが、トリプル・クライシスへの対応の鍵となることが科学的に明らかになりつつあります。気候変動、生物多様性の損失、環境汚染、そして持続可能な開発の障壁となる諸課題を俯瞰する統合的アプローチが今まさに求められているのです。
現在、統合的アプローチの重要性は着実に共有されつつあります。SDGsのローカライゼーション(地域化)、農村部と都市部の資源の流れの最適化、自然と人間との関係の調和を図る地域循環共生圏(Regional Circulating and Ecological Sphere:Regional CES)が、日本のいくつかの地域で具現化しています。また、経済界は、気候変動を緩和するだけでなく、生態系を保全するために市場原理を活用しようとしています。さらに、若者たちは、複雑な問題に対して環境的・社会的に持続可能な解決策をより主体的に模索しています。
今年で16回目を迎える「持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)」では、統合的アプローチによるトリプル・クライシスへの対応について議論を深めます。具体的には、統合的アプローチの様々な取り組みがアジア太平洋地域におけるより広範な意思決定にどのような影響を与え、世界的な変革への道を拓くことができるかを検討します。
SATOYAMAイニシアティブは、生物多様性と人間の福利のためのランドスケープとシースケープのアプローチを推進する国際的な取り組みです。日本政府と国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)が2010年に愛知県で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(CBD COP10)で提唱し...
東南アジア諸国連合(ASEAN)共同体は、今後2年以内にASEAN気候変動戦略行動計画2025-2030(ACCSAP)を策定し、ASEAN気候変動センター(ACCC)を設立する予定です。これは、地域レベルおよび国レベルの既存の政策・制度の枠組みを統合し、レジリエントなネット・ゼロASEANの...
気候変動問題は、国際社会が一体となって直ちに取り組むべき重要な課題です。国際社会では、1992年に採択された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に基づき、1995年より毎年、UNFCCCの締約国会議(COP)が開催され、世界での実効的な温室効果ガス排出削減の実現に向けて、精力的な議論が行われて...
気候変動問題や生物多様性損失に象徴されるように、人間の活動による環境への影響があまりにも大きくなり、人類の生存基盤が脅かされる事態となっています。このような持続不可能な社会のあり方を見直し、持続可能な社会への移行を図る上で、現世代の利益の追求が将来世代の生存権を脅かしているという反省に立ち...
持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(International Forum for Sustainable Asia and the Pacific: ISAP)は、日本及びアジア太平洋で活躍する専門家、国際機関、政府、企業、NGO関係者が集い、地域の持続可能な開発に関する多様な議論を行う場です。公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)が、地域の多様なステークホルダーと協働して2009年から毎年開催しています。すでに地域で活発に活動している関係者間の情報共有の促進や連携強化も主な目的のひとつですが、地球環境問題に関心をお持ちの一般の方々にも世界的な議論の進展や最新の研究動向に触れていただき、持続可能な社会の構築に向けた素地を共に作っていくことも目的としています。
地球が気候変動、生物多様性の損失、そして環境汚染という“トリプル・クライシス”(三重の危機)にさらされている中、持続可能な社会への変革をどのように加速させていくことができるでしょうか。
私たちはこの問題に対処するため、パリ協定、昆明・モントリオール生物多様性枠組、持続可能な開発目標(SDGs)といった世界目標を掲げ、それぞれにおいて野心的な取り組みを進めてきました。しかし、実際の進展はあまりにも遅く、そして断片的なものとなっています。一方で、これら目標間のシナジー(相乗効果)を最大化し、トレードオフを最小化することが、トリプル・クライシスへの対応の鍵となることが科学的に明らかになりつつあります。気候変動、生物多様性の損失、環境汚染、そして持続可能な開発の障壁となる諸課題を俯瞰する統合的アプローチが今まさに求められているのです。
現在、統合的アプローチの重要性は着実に共有されつつあります。SDGsのローカライゼーション(地域化)、農村部と都市部の資源の流れの最適化、自然と人間との関係の調和を図る地域循環共生圏(Regional Circulating and Ecological Sphere:Regional CES)が、日本のいくつかの地域で具現化しています。また、経済界は、気候変動を緩和するだけでなく、生態系を保全するために市場原理を活用しようとしています。さらに、若者たちは、複雑な問題に対して環境的・社会的に持続可能な解決策をより主体的に模索しています。
今年で16回目を迎える「持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)」では、統合的アプローチによるトリプル・クライシスへの対応について議論を深めます。具体的には、統合的アプローチの様々な取り組みがアジア太平洋地域におけるより広範な意思決定にどのような影響を与え、世界的な変革への道を拓くことができるかを検討します。
SATOYAMAイニシアティブは、生物多様性と人間の福利のためのランドスケープとシースケープのアプローチを推進する国際的な取り組みです。日本政府と国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)が2010年に愛知県で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(CBD COP10)で提唱し...
東南アジア諸国連合(ASEAN)共同体は、今後2年以内にASEAN気候変動戦略行動計画2025-2030(ACCSAP)を策定し、ASEAN気候変動センター(ACCC)を設立する予定です。これは、地域レベルおよび国レベルの既存の政策・制度の枠組みを統合し、レジリエントなネット・ゼロASEANの...
気候変動問題は、国際社会が一体となって直ちに取り組むべき重要な課題です。国際社会では、1992年に採択された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に基づき、1995年より毎年、UNFCCCの締約国会議(COP)が開催され、世界での実効的な温室効果ガス排出削減の実現に向けて、精力的な議論が行われて...
気候変動問題や生物多様性損失に象徴されるように、人間の活動による環境への影響があまりにも大きくなり、人類の生存基盤が脅かされる事態となっています。このような持続不可能な社会のあり方を見直し、持続可能な社会への移行を図る上で、現世代の利益の追求が将来世代の生存権を脅かしているという反省に立ち...
持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(International Forum for Sustainable Asia and the Pacific: ISAP)は、日本及びアジア太平洋で活躍する専門家、国際機関、政府、企業、NGO関係者が集い、地域の持続可能な開発に関する多様な議論を行う場です。公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)が、地域の多様なステークホルダーと協働して2009年から毎年開催しています。すでに地域で活発に活動している関係者間の情報共有の促進や連携強化も主な目的のひとつですが、地球環境問題に関心をお持ちの一般の方々にも世界的な議論の進展や最新の研究動向に触れていただき、持続可能な社会の構築に向けた素地を共に作っていくことも目的としています。