ISAP2019
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Concept note

ISAP2019全体テーマ:
包摂的な転換(トランジション):
地域循環共生圏の実現に向けたマルチステークホルダーの協力

Inclusive transformation: Multi-stakeholder collaboration driving the world towards a Circulating and Ecological Economy
気候変動とSDGsのリンケージ、特に社会と環境に関する目標を念頭に、また、「IPCC 1.5℃特別報告書」や、気候変動とその他の社会関連目標に焦点を当てたHLPF2019のキーメッセージを深める形で、包摂的な転換(トランジション)について議論します。
包摂的な転換(トランジション)に関する行動志向型の取り組みと、科学的アプローチの双方を取り扱います。これらには以下の内容を含みます。
  • 日本における「地域循環共生圏」構想など、分野横断型アプローチによる、マルチステークホルダーによる地域レベル、及び地方レベルでの変革を進めていく取り組みの紹介。
  • 気候変動とSDGsとの相乗効果、またトレードオフを、より包括的かつ効果的な形でどのように調整していくべきかについての科学的な根拠の提供。

開催趣旨

2015年、国際社会はパリ協定と、持続可能な開発目標(SDGs)を含む持続可能な開発のための2030アジェンダを採択し、地球規模の課題に一丸となって取り組むことに合意しました。それから3年が経過し、現在世界中で様々な取り組みが進められていますが、私たちは果たしてこれらの課題を克服できるのでしょうか。

2018年10月に公表された「IPCC 1.5℃特別報告書」は、脱炭素社会の必要性を説き、脱炭素社会の実現に向けた排出経路を明らかにしています。科学的に温暖化を1.5℃に抑えることは不可能ではないものの、特別報告書に書かれているような大幅削減を達成するには、社会、経済、エネルギーシステムの大転換が不可避であるとしています。また、昨年末に行われた国連気候変動枠組条約(UNFCCC)COP24の閉会挨拶にて、パトリシア・エスピノサUNFCCC事務局長は、「気候変動に打ち克つために、科学は、我々が意欲を高めていく必要があることを明確に示している」と述べ、まず、「Ambition(意欲)」という言葉を5回繰り返したのちに、緩和、適応、ファイナンス、技術協力と能力構築、技術イノベーションの5つの優先課題を掲げました。つまり、私たちは今岐路にあり、脱炭素社会への転換に向けて様々な取り組みを加速しつつ、同時にこうした転換ができるだけ円滑に進んでいくような目配りをしていく必要があります。

ISAP2019が開催される2019年7月末は、2019年に予定されている主要な国際プロセス・国際会議のうち、ちょうど国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)2019が終了したタイミングとなります。また、この後には、国連気候行動サミット及びSDGsサミット(2019年9月)や、UNFCCC-COP25(2019年12月)などが控えています。国内に目を転じれば、2019年6月には「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」が閣議決定され、また、同月末には、日本が議長を務めるG20大阪サミットが予定されています。こうした機会においてIGESがどのような準備を行い、研究成果やメッセージを発信し、或いはインパクトを創生できたのか、また、今後どのような布石を打っていくのか。今回のISAPでは、こうしたIGESの活動やUNU-IASの研究活動を紹介するとともに、IGESが今後、大きく変化する社会において「チェンジ・エージェント」としてどう機能していくべきか、今回ご参加の皆様方と一緒に考える機会にしたいと考えています。