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IGES理事長と世界の英知との対話
(第一部: 生物多様性、気候変動と持続可能な開発目標(SDGs)のシナジーを追求する)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、地域における健康上の危機から、世界においてすべてを覆いつくす世界的大流行(パンデミック)・経済災害へと大きく変化しました。COVID-19の感染は急速に広がり、世界のほぼすべての地域の人々の日常生活が大きな影響を受けています。このことは、地方から国、国際的に至るあらゆるレベルの政府が、現状への対策及び将来への復興プログラムについて、分野と国境を越えて調整し協力する必要性を明らかにしています。

グローバルな持続可能性の確保はIGESのミッションの中核です。このためIGESは、国境を越え、また個別課題を超えた視点で、現状への対応と将来への復興に資するように取り組んでいくこととしています。また、IGESは、このパンデミックとそれがもたらす広範な影響に対して、緊急課題への対応(Response)、危機からの回復(Recovery)、そして持続可能でレジリエントな世界の実現に向けた社会経済システムの再設計(Redesign)からなる三つのR(トリプルR)フレームワークを提唱しています。これらはしばしば異なるタイムフレームで進捗しますが、可及的速やかな「対応」と「回復」が要求される中にあっても、将来を見据えた「再設計」を念頭に、いかに継続的かつ効果的に対処していけるのかが問われています。

このセッションでは、IGESのパートナー機関の代表を迎え、それぞれがCOVID-19に向けてどのような取り組みを行っているのかをご紹介いただきます。次に、気候変動やSDGs、生物多様性などの喫緊の課題と、COVID-19への取り組みとを如何に相乗的に進めていこうとしているのか、さらに、社会経済システムの再設計(Redesign)には何が必要か、について議論します。

スピーカー

IGES 理事長

武内 和彦

武内 和彦

IGES 理事長

1974年東京大学理学部地理学科卒業、1976年同大学院農学系研究科修士課程修了。農学博士。東京大学アジア生物資源環境研究センター教授などを経て、1997年より2012年まで同大学院農学生命科学研究科教授、2008年より2016年6月まで国連大学副学長・上級副学長。2012年4月より東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)機構長、教授/特任教授。2017年7月より公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)理事長。
2019年4月より東京大学未来ビジョン研究センター特任教授。中央環境審議会会長、Sustainability Science誌(Springer)編集長、Distinguished Chair, Wangari Maathai Institute for Peace and Environmental Studies, University of Nairobi等を兼務。

専門は、緑地環境学、地域生態学、サステイナビリティ学。

国連事務次長 国連アジア太平洋経済社会委員会事務局長

アルミダ・S・アリシャバナ

アルミダ・S・アリシャバナ

国連事務次長 国連アジア太平洋経済社会委員会事務局長

2018年11月1日より国連アジア太平洋経済社会委員会事務局長に任命されたアルスジャバナ氏は、2009年から2014年までパジャジャラン大学の経済学教授、インドネシア国家開発計画大臣及び国家開発計画機関の所長を務めていました。2016年にアルスジャバナ氏は、2030アジェンダにおける国連の長期的位置付けについて国連経済社会理事会ダイアログを支援する助言者で構成するハイレベル独立チームの一員を担っていました。アルスジャバナ氏は米国ワシントン大学から経済学の博士号を取得しています。

生物多様性条約事務局 事務局長

エリザベス・マルマ・ムレマ

エリザベス・マルマ・ムレマ

生物多様性条約事務局 事務局長

20年以上にわたり国連環境計画(UNEP)に勤め、調整や活動、計画遂行を担う生態系副部長や法務部長を歴任。それ以前は移動性野生動物種の保全に関する条約UNEP事務局の事務局長も経験している。UNEPにおける、国家、地域、国際レベルでの環境に関する多国間合意を含む、環境法の草案、施行、そして取り締まりを職務としてきたことが評価され、現職。

アジア開発銀行(ADB)ナレッジ管理・持続的開発担当副総裁

バンバン・スサントノ

バンバン・スサントノ

アジア開発銀行(ADB)ナレッジ管理・持続的開発担当副総裁

アジア開発銀行でナレッジ管理・持続的開発担当の副総裁を務める。気候変動、教育、環境、ガバナンス、ジェンダー平等、地域開発、食料安全保障、地域協力に加え、エネルギー・交通、保健衛生、ファイナンスなど幅広い分野の研究・調査のコーディネーションを実施。インドネシア交通省の大臣代理、インフラ・地域開発副大臣、経済担当調整省の副大臣を歴任。 インドネシア・バンドン工科大学から工学の学士号を取得。カリフォルニア大学バークレー校から交通工学と都市地域計画の修士号と、インフラ計画の博士号を取得。

President and CEO, International Institute for Sustainable Development (IISD)

リチャード・フロリゾン

リチャード・フロリゾン

President and CEO, International Institute for Sustainable Development (IISD)

リチャード・フロリゾン博士はIISDの代表かつCEOであり、またダルハウジー大学の名誉学長を務めています。彼はサスカチュアン州プリンス・アルバート出身で、ボストン・コンサルティンググループやケンブリッジ大学、ボンバルディエ・アエロスペース、国際金融公社(IFC)において上級の役職に就いていた経験を持っています。明晰で参加型でひらめきを与える組織とコミュニティの構築のため協働的パートナーシップを醸成した確固たる経験を持っていて、科学者である一方、戦略家の一面も併せ持っています。彼はマサチューセッツ工科大学で物理学の博士号を持ち、カナダ工学アカデミーのフェローも務めています。