facebooktwitterlinkdinmaillanguage
全体会合 1
  • 2022年11月28日
  • 14:35 - 15:20
Online Registration

気候変動と生物多様性は他の前進している持続可能な開発指標に追いつけるか

2010年に生物多様性条約事務局が発表した報告書は、「生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させる」という戦略計画(2002~2010年)目標が達成されなかったと結論付けました。それから10年、様々な分野で進展が見られたものの、愛知目標はいずれも完全には達成されていません。そのような中、まもなく採択される「ポスト2020生物多様性枠組」が、自然との共生という世界目標に向けた新たな国際枠組となります。一方、気候変動の悪影響はますます大きくなり、世界人口は増加し、資源消費は過去最高を更新し続けています。しかし、この数十年の間に、大きな進捗がみられた開発分野もあります。貧困は劇的に減少し、平均寿命は伸び、自然災害や暴力犯罪による死者は減っています。本セッションでは、生物多様性、そして環境分野においても、いかにしてこうした成功の流れに続くことができるのか、課題を整理し、議論を深めていきます。

プログラム

クリスティ・エビ ワシントン大学 健康・地球環境センター(CHanGE) 教授
橋本 禅 東京大学准教授/IGESシニアフェロー/生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)学際的専門家パネルメンバー、IPBES地球規模アセスメントおよびアジア・オセアニア地域アセスメントの執筆責任者
アンドレ・デレク・マダー IGES 生物多様性と森林領域 プログラムディレクター
田村 堅太郎 IGES 気候変動とエネルギー領域 プログラムディレクター

ワシントン大学 健康・地球環境センター(CHanGE) 教授

クリスティ・エビ

クリスティ・エビ

ワシントン大学 健康・地球環境センター(CHanGE) 教授

ワシントン大学 健康・地球環境センター(CHanGE)教授。25年にわたり、気候の変動と変化による健康リスクについて研究している。気候変動の現在および将来のリスクの推定、複数のストレス要因が存在する環境におけるリスク軽減のための適応政策・対策の立案、緩和政策による健康へのコベネフィットの推定に関する研究が中心。

また、世界各国の脆弱性評価と適応政策・プログラムの実施を支援している。気候変動に関する書籍4冊を編集したほか、200以上の出版物を執筆。IPCC第6次評価報告書を含む複数の国別および国際的な気候変動評価の執筆にも従事。

東京大学准教授/IGESシニアフェロー/生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)学際的専門家パネルメンバー、IPBES地球規模アセスメントおよびアジア・オセアニア地域アセスメントの執筆責任者

橋本 禅

橋本 禅

東京大学准教授/IGESシニアフェロー/生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)学際的専門家パネルメンバー、IPBES地球規模アセスメントおよびアジア・オセアニア地域アセスメントの執筆責任者

東京大学大学院農学生命科学研究科生圏システム学専攻准教授。

生態系サービス評価とランドスケープ計画への応用に10年以上の経験を持ち、モデリング、土地変化と生態系サービスのシミュレーション、シナリオ分析に豊富な経験を持つ。査読付きの学術論文や書籍の章を多数執筆し、「日本の里山・里海評価(Japan Satoyama Satoumi Assessment : JSSA)」に統括執筆責任者として貢献したほか、生物多様性及び生態系サービスの総合評価(JBO2、JBO3)、生物多様性国家戦略2012-2020改定の専門家グループのメンバーを務めた。また、2020年から日本学術会議連携会員を務める。国際レベルでは、IPBES地球規模アセスメントおよび科学運営委員会に貢献。2018年からは、IPBESの学際的専門家パネルに、2019年からは、IPBESのシナリオとモデルに関するタスクフォースの共同議長に従事。2021年には、G7サミットに向けたGサイエンス学術会議共同声明「Reversing biodiversity loss – the case for urgent action」およびインターアカデミーパートナーシップ(IAP)共同声明「Climate Change and Biodiversity: Interlinkages and policy options」の起草に貢献。

IGES 生物多様性と森林領域 プログラムディレクター

アンドレ・デレク・マダー

アンドレ・デレク・マダー

IGES 生物多様性と森林領域 プログラムディレクター

アンドレ・マーダー氏は国際的な生物多様性政策を専門とする保全生物学者である。2018年7月にIGESに入社。それ以前までは、3年間スイスに拠点を置き、ヨーロッパと中央アジアのIPBES地域アセスメントの調整を担当。それ以前には、カナダの生物多様性条約事務局で4年間、地方レベルで条約の実施を監督、南アフリカのICLEIの都市生物多様性センター(Cities Biodiversity Centre)で5年間、「生物多様性のためのローカルアクション(Local Action for Biodiversity)」イニシアティブの責任者を務めた。その他、アフリカや中東で、地方レベルの政府関係者の能力開発、様々な生態学的フィールドワーク、野生生物繁殖センターの設立事業への参加、自然保護区の管理などを行ってきた。

IGES 気候変動とエネルギー領域 プログラムディレクター

田村 堅太郎

田村 堅太郎

IGES 気候変動とエネルギー領域 プログラムディレクター

ロンドン大学経済政治学院(LSE)大学院博士課程修了(国際関係学博士)。

横浜国立大学エコテクノロジー・ラボラトリー講師を経て、2003年よりIGES勤務。研究テーマは国際気候変動枠組みの制度設計および主要国の気候・エネルギー政策決定プロセス。気候・エネルギー政策の分野で多くの査読論文、編集本を出版している。

関連セッション