本セッションでは、ポスト2020生物多様性枠組(GBF)に貢献するために不可欠な、生物多様性の保全と回復のための理論をどのように実践に移せるかを議論します。私たちは今、ライフスタイル、生産・消費等を含め、社会をより持続可能なものに変革させなければならない時代に直面しています。しかし、それを実現するための方法はまだ見つかっていません。Satoyama Development Mechanism(SDM)は、2013年から実施されている「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)」のシードファンディングプログラムです。この基金は、社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の促進、保全、回復のためのプロジェクトを実施するために、IPSIメンバー団体を支援してきました。
本セッションでは、IGES理事長および環境省の挨拶に続き、ポスト2020GBFや生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)を含む生物多様性に関する国際的な議論の現状を紹介するフレーミングプレゼンテーションを行います。続いて、これまでにSDM助成を受けてプロジェクトを実施した2団体の代表が、プロジェクト成果の政策への取り込みにおける活動や成功例、そしてさらなる政策への取り込みに向けた今後の課題を発表します。これらを踏まえ、Q&Aセッションでは、自然と社会の多様な価値を尊重し、気候変動の進行を減速させ且つ反転させることにも対処しつつ、2030年までにネイチャーポジティブ社会を実現するための社会変革に向けた道筋について議論を深めます。最後に、IPSI事務局長の挨拶でセッションを閉会します。
李 光中 台湾国立東華大学 自然資源環境学部 教授