- 水銀排出量についての複数の将来シナリオを分析しながら、対策効果を見極め、さらに戦略的な水銀モニタリング指針を策定することが重要となる。
- 将来シナリオの定量化に際しては、水俣条約の他、急速に進展する脱炭素対策(石炭燃焼の減少やバイオマス発電の増加など)や経済成長に伴う資源需要の拡大などの影響を織り込んだ上での精緻化が鍵となる。また、対策を講じる上では、違法な貿易に伴う水銀の移動や廃水銀の隔離管理といった要素も考慮に入れる必要がある。
- 健康影響評価に関しては、詳細な濃度の把握とリスク評価が重要になる。ASGM従事者の多い国のひとつであるインドネシアにおける試みから、効果的な観測手法が開発されるとともに、暴露量に基づいた科学的なリスク評価が見えてくるだろう。