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  • 2023年12月19日
  • 9:00 - 9:20
  • 同時通訳あり

開会式

来賓挨拶

伊藤信太郎環境大臣は冒頭、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第28回締約国会議(COP28)に参加したことに触れ、世界全体の気候変動対策の進捗状況を評価する「グローバル・ストックテイク」が初めて取りまとめられたことや、損失と損害の基金について会議の冒頭で合意が得られるなど、大きな進展が見られたという認識を示しました。

そして、日本がパリ協定6条のルール策定に向けた交渉を牽引してきたこと、ならびに二国間クレジット制度(JCM)を通じて多くの排出削減プロジェクトを実施してきたことに言及し、それらは政府が進める「アジア・ゼロエミッション共同体構想」につながるものであると述べました。こうした経験を活かしながら、さらに能力開発や案件形成支援などを行い、世界全体でのさらなる排出削減に貢献していく意気込みを強調しました。

最後に、環境省が「第6次環境基本計画」の策定に向けた検討を進めていることにも触れ、環境・経済・社会の統合的向上とともに、それらを地域で実践・実装する「地域循環共生圏」の推進を計画の重要な柱に据え、今後その取り組みを一層具体化させていくという所信を表明しました。


小板橋聡士神奈川県副知事は最初に、IGESが連携事業などを通じて県の施策形成にも貢献していることを紹介しました。その例として、2021年度に、県との共同研究により作成した「かながわ脱炭素ビジョン 2050」を挙げ、2050 年脱炭素社会の実現に向けて、県民、企業、行政などの各主体が目指すべき将来像や行動の選択肢を示したことに言及し、IGESに謝辞を述べました。

次に、神奈川県が2019 年 11 月に「2050年脱炭素社会の実現」を表明し、2023年2月には、 2030年度の温室効果ガス排出削減目標について、2013年度比で46%から50%削減に引き上げる決定を行ったことに触れました。また、現在「神奈川県地球温暖化対策計画」の全面的な改定作業を進めているとしました。

生物多様性の保全については、ネイチャーポジティブの実現などを目標に掲げる新たな生物多様性国家戦略が示されたことを受け、神奈川県でも、「かながわ生物多様性計画」を改定中であることを共有しました。

最後に、神奈川県では「いのち輝く(Vibrant INOCHI)」をキーワードに様々な施策を連動・融合してとらえていることを強調し、IGESから脱炭素社会の実現ならびに生物多様性の保全に向けた統合的アプローチへの示唆をいただきたいとの期待を示しました。

主催者挨拶

武内和彦IGES理事長は、今回のISAP2023では、アジア太平洋における持続可能な社会への移行の加速をメインテーマに、社会変革を促す統合・包摂・ローカライゼーションという3つのダイナミクスについて議論を深めていくと述べました。

そして、ISAP2023の直前に行われたCOP28の主要成果とそれらの意義に触れながら、こうした国際動向に対応するIGESの最近の取り組みについて紹介しました。

2023年G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合において、環境省が各国の歓迎を受けて設立した「パリ協定6条実施パートナーシップセンター」については、IGESがセンターの事務局として、UNFCCC事務局や世界銀行と協力して活動し、6条実施に関わる各国の能力構築支援を進めていることを共有しました。

また、国連経済社会局(UNDESA)とUNFCCC事務局によって開始された、気候変動と持続可能な開発目標(SDGs)のシナジーに関するイニシアチブに環境省とIGESが深く関与していることを紹介した上で、自身も参画する「気候変動とSDGsのシナジーに関する専門家グループ」がグローバルシナジーレポートを発表したことに触れました。2024年には第2弾のグローバルシナジーレポートが発表される予定であり、それに向けた専門家会合をIGESが環境省と協力して開催する旨を紹介しました。

今回のISAP2023では、中高生も参加するポスターセッションを開催するほか、各セッションで議論されたトピックを若者とともに振り返る閉会セッションを企画するなど、将来世代の参画を促す取り組みを強化していることに言及しました。

来賓あいさつ
伊藤 信太郎 環境大臣
来賓あいさつ
小板橋 聡士 神奈川県 副知事
開会あいさつ
武内 和彦 IGES 理事長
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ISAP2023 ポスターセッション

今年のISAPでは、メイン会場であるパシフィコ横浜5階のエレベーター前のスペースで、ポスターセッションを実施します。ポスターセッションとは、研究員がそれぞれの研究や活動を紹介するポスターを貼り出し、関心のある方・お立ち寄りいただいた方にその内容を直接ご説明する発表形式で、国際会議や学会などでは一般的な発表方法です。

IGESではISAPの会合で取り上げられているトピック以外にも、様々な研究や活動が行われています。そうした多様なプロジェクトについて、研究員と直接対話していただけます。研究員たちにとっても、質問を受けることによる新たな気づきや、同じような研究をしている方との繋がりなど、得るものが多いのがポスターセッションです。会場にお越しの際には、ぜひポスターの発表者に気軽に声をおかけください。ステージからの発表を聞くセミナーとはまた違った、ポスターセッションならではの会話のキャッチボールをお楽しみください。

さらに、今回はスペシャル企画として、生物や科学に興味を持つ中学生・高校生もポスターセッションに発表者として参加してくれます。IGESの研究員と肩を並べて自分の研究を発表する、若き研究者の卵にもご注目ください。

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