全体会合 2 (PL-2)
  • 2025年7月29日
  • 10:50 - 11:50
  • 503 + オンライン
  • 同時通訳あり

COP30に向けた提言:ネット・ゼロと持続可能な開発を実現するシナジーアプローチによる気候変動対策

ブラジルで開催されるCOP30に向け、気候変動対策と持続可能な開発目標(SDGs)をより広範に連携させることの重要性が一層高まっています。気候変動緩和策について、単に温室効果ガスの排出を削減する手段としてだけでなく、生物多様性保全、土地の回復、循環経済、社会的衡平性といった多様なコベネフィット(共便益)をもたらす原動力として捉える必要があります。持続可能性の諸課題を包括的に捉える「シナジーアプローチ」が、公正かつ効果的なネット・ゼロ社会への移行を実現するカギとなります。

COP29においてパリ協定第6条が本格運用化した流れを踏まえ、本セッションでは、シナジーアプローチのもと、質の高い炭素市場や第6条の仕組みを活用し、持続可能な開発を同時に促進するインパクトのある緩和プロジェクトの展開について探ります。第6条の実施においては、持続可能な開発を促進することが求められ、環境や社会そして経済面でのコベネフィットの評価や環境・社会リスクの管理に関するツールが提供されており、SDGsの優先課題を気候資金に統合する基盤が築かれています。一方で、「第6条の実施はどのように持続可能性の諸課題との相乗効果を高められるのか」「環境的整合性や社会的正義を損なうことなく、複数のSDGs達成に貢献する緩和プロジェクトをどのように設計すべきか」といった点はこれからさらなる実践を通じて明らかにしていくことが重要であり、専門家とともに現場での実例や実践的な知見を共有しながら、COP30での議論に向けて、持続可能性と気候戦略を統合する実行可能な道筋を提示します。

パネル討論

モデレーター
小圷 一久 IGES パリ協定6条実施パートナーシップ センター長
 駐日ブラジル連邦共和国大使館 エネルギー・環境・農務部長
プルヴィ・メータ シニア・グローバル気候スペシャリスト
シャーム・サックル 国際熱帯木材機関(ITTO)事務局長
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局
小圷 一久

小圷 一久

IGES パリ協定6条実施パートナーシップ
センター長

駐日ブラジル連邦共和国大使館 エネルギー・
環境・農務部長

エンヒケ・エレー

エンヒケ・エレー

駐日ブラジル連邦共和国大使館 エネルギー・環境・農務部長

エンヒケ・エレーは、1985年12月24日にブラジル、フロリアノポリス市で誕生。サンタカタリーナ連邦大学機械工学科を卒業、パリ第1 パンテオン・ソルボンヌ大学より経営学修士号を取得。

民間部門において、フランスの自動車産業および原子力産業の企業に勤務、またブラジルの大手鉄鋼メーカーに勤務。2013年、国家公務員試験を経てブラジル外務省に入省。同省では、国会対応室および外務大臣官房に配属。また、ブラジル連邦共和国大統領府でも勤務。

在ドイツ・ブラジル大使館にて経済部長として3年間勤務。2023年8月より、駐日ブラジル大使館にてエネルギー・環境・農業部長。

プルヴィ・メータ

プルヴィ・メータ

シニア・グローバル気候スペシャリスト

シャーム・サックル

シャーム・サックル

国際熱帯木材機関(ITTO)事務局長