全体会合 3 (PL-3)
  • 2025年7月29日
  • 13:20 - 14:20
  • 503 + オンライン
  • 同時通訳あり

レジリエントでネット・ゼロなASEANに向けた公正で包摂的な移行

2024年の世界の平均気温が史上最高値を更新するなど、温室効果ガス排出による地球温暖化が深刻な水準に達しています。東南アジア諸国連合(ASEAN)は、レジリエントでネット・ゼロな社会への移行を目指し、「ASEAN気候変動戦略行動計画2025-2030(ACCSAP)」を策定中です。IGESは、2022~2024年度に実施した環境研究総合推進費1CN-2206の研究プロジェクトにおいて、ASEANおよびアジア諸国における気候変動緩和・適応の相乗的実施を促す国家長期ロードマップに関して、社会包摂を含む7原則と7行動からなる包括的な枠組み(マクロフレーム)を構築しました。緩和策と適応策を同時に進め、持続可能な社会への公正な移行を実現するためには、統合評価モデルなどにより導かれる定量的なロードマップを参照しつつ、地域の社会的弱者の状況を認識・理解することが重要です。そして、彼らの脆弱性・レジリエンスの解明を出発点として、レジリエンスの促進策や適応策との高い相乗効果(シナジー)を有する再生可能エネルギーの導入といった緩和策を、土地利用や自然環境などとの相反(トレードオフ)を抑制する形で普及する必要があります。マクロフレームが、ACCSAPをはじめ、各国の長期戦略(LTS)、国が決定する貢献(NDC)、国別適応計画(NAP)などの気候政策に反映されることで、気候変動目標と対策が相乗的かつ包摂的な形で主流化されるきっかけとなります。本セッションでは、国内外のパートナー研究機関とまとめた政策提言(指針)文書とテクニカルレポートのキーメッセージを紹介し、ASEANのエネルギー政策担当者や各研究機関と共に今後の展開について議論を深めます。

パネル討論(登壇者調整中)

有野 洋輔 IGES 戦略マネージメントオフィス 主任研究員 / プロジェクトリーダー(緩和と適応の統合)
Vong Sok, ASEAN Secretariat
Ambiyah ABDULLAH, ASEAN Centre for Energy
ピンバディー・ケアオキリヤ IGES バンコク地域センター ASEAN DRR-CCAシニアプログラムマネージャー
MASUI Toshihiko, NIES