Session
危機への打開策:究極の政策・計画・行動とは
気候脆弱性への対応:発展と平和のためのリスクの削減
気候変動が紛争や平和に与える影響が高まりつつあることを受け、アデルフィ(ドイツ)は、G7各国からの命のもと、気候変動が国家に与える脆弱性リスクについての報告書を作成した(2015年)。同報告書により、これまではあまり考えられていなかったものの、今後国家に深刻な影響が懸念される複合的な気候変動リスク(climate-fragility risks: CFR/気候脆弱性リスク)の存在が明らかになり、国際的な協力体制構築が呼びかけられる結果となった。日本国外務省は、G7議長国であった本年1月、気候脆弱性に関する国際円卓セミナーを開催し、その場の議論を通じて、気候変動のリスク分析と共に外交政策策定を行う必要性につき認識が深められた。IGESは、アデルフィと共同でアジア地域や特に日本における気候脆弱性リスクと開発・平和との関係についての政策研究を行っている。
本セッションは、上記に挙げたこれまでの議論の成果を紹介すると共に、政府、開発機関、研究機関、市民団体といった関連の深い組織から現場の議論や意見交換の様子を聞くことができる貴重な機会を提供するものである。
SSS
石垣 友明
外務省国際協力局気候変動課 課長
SSS
シヴァプラム・プラバカール
IGES自然資源・生態系サービス領域リサーチマネージャー
SSS
藤田 壮
国立環境研究所(NIES)社会環境システム研究センター センター長
SSS
石渡 幹夫
国際協力機構(JICA)防災・水資源管理 国際協力専門員
SSS
小美野 剛
CWS Japan事務局長
モデレーター
ショウ・ラジブ
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス政策・メディア研究科/総合政策学部教授
SSS
石垣 友明
外務省国際協力局気候変動課 課長
外務省職員。これまで国際法、国際貿易・投資(WTO、EPA、TPP)、対外援助、安全保障、軍縮不拡散、気候変動問題等の分野を担当。ニューヨークの国連代表部では、安全保障理事会における北朝鮮、イランの制裁問題や軍縮不拡散分野では武器貿易条約の交渉・採択に貢献。気候変動交渉においては、G7の気候変動と脆弱性作業部会の議長を務めたほか、マラケシュでのCOP22会議などに参加。総理大臣官邸(総理補佐官秘書官)、内閣法制局(参事官)への出向に加え、総理大臣、外務大臣等の通訳を数多く経験。2007年から慶應義塾大学法学部にて国際法演習の授業を担当。国際法、軍縮不拡散等に関する講演や関連論文・著作等あり。
SSS
藤田 壮
国立環境研究所(NIES)社会環境システム研究センター センター長
1983年東京⼤学都市工学科卒業、ペンシルバニア⼤学院都市計画修士、東京大学博士(工学)。 大学卒業後、大成建設での都市地域開発計画業務等を経て、1994年より⼤阪⼤学助⼿、助教授。東洋大学工学部教授、国立環境研究所室長を経て現職。東京工業大学科学技術創成研究院先進エネルギー国際研究(AES)センター特任教授、名古屋大学大学院環境学研究科客員教授及び国連大学客員教授。専門は環境システム学、都市環境計画、環境技術評価、エコタウン、都市産業共⽣システム。中央環境審議会環境情報専門委員をはじめ、環境省、国土交通省、内閣府等の委員を務める。
SSS
石渡 幹夫
国際協力機構(JICA)防災・水資源管理 国際協力専門員
気候変動適応策、防災、水資源管理分野のODAについて、援助アプローチや案件形成・管理を担当。これまで世界銀行にて上席防災専門官として「大規模災害から学ぶ:東日本大震災からの教訓」プロジェクトを担当。国土交通省において浜田河川国道事務所長、河川計画課企画専門官等として、河川行政に関わる。アジア開発銀行都市開発専門官、英国クランフィールド大学防災センター研究員等を歴任。
SSS
小美野 剛
CWS Japan事務局長
アジア防災緊急対応ネットワーク(ADRRN)理事兼事務局長、世界人道サミット(WHS)アジア運営委員(RSG)、コア人道支援基準(CHS)理事などを兼務。JCC-DRR(防災・減災日本CSOネットワーク)共同事務局、世界人道サミットに向けたHumanitarian Innovation Forum Japanの運営委員も務める。同志社大卒業、ブランダイス大学大学院開発学修士。
モデレーター
ショウ・ラジブ
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス政策・メディア研究科/総合政策学部教授
京都大学大学院地球環境学堂教授、国際科学会議・国連総合防災研究プログラム(IRDR)所長を経て、現職。IGESのシニアフェローと日本のNGO、SEEDS Asiaの理事長を兼務。環境防災管理を専門とし、主な研究テーマは、地域型防災、気候変動適応、都市リスク管理及び防災環境教育。国連グローバル科学技術諮問委員会(STAG)委員及びアジア科学技術諮問委員会(ASTAAG)共同議長。Springer社の災害リスク削減書籍シリーズの編集長。著書多数。