facebooktwitterlinkdinmaillanguage

持続可能な暮らしのための共同学習と共創: 危機への対処と未来への展開

持続可能な暮らしの実現にはコミュニティ、学校、職場などでの共同学習と共創が重要な役割を担います。パンデミック対策として実施された学校閉鎖、集会の制限などにより、こうした活動は一時的に困難なものとなりましたが、地域や教育現場では、オンラインでのコミュニケーションや共同作業、学習などを取り入れつつあります。この結果、パンデミック以前より幅広い人々の参加が可能になり、人々が暮らす不安定な生活環境の背景に対するより深い洞察に基づく実践的な活動が行われるようになった場合もあります。

本セッションでは、国連One-Planet Networkの持続可能なライフスタイルおよび教育プログラムで支援した現場レベルの事業者からパンデミック期間中に経験した困難や、インクルーシブな共同学習と共創を取り戻し拡張する試みを紹介していただきます。その上で、市民社会、政府等で持続可能なライフスタイルに関する取り組み・政策に関わる専門家を交え、以下の2点を議論します。

  1. 共同学習と共創の機会を回復するために各地で行われている取り組みを共有し活用するために市民社会、政府、研究者は何をすべきか
  2. パンデミックの経験に学び、持続可能なライフスタイルの実現を目指す取り組みを、これまで以上にインクルーシブでレジリエントなものとしていくために必要なアクションとは何か
関連出版物スピーカー

IGES 持続可能な消費と生産(SCP)領域 プログラムディレクター

渡部 厚志

渡部 厚志

IGES 持続可能な消費と生産(SCP)領域 プログラムディレクター

慶應義塾大学にて博士号(政策・メディア)を取得。IGESでは、気候変動政策に関する国際協力プログラム、福島第一原発事故後の復興と生活再建に関するアクションリサーチ等に参加。2015年より、国連持続可能な消費と生産10年計画枠組み(One-Planet Network) 持続可能なライフスタイル及び教育プログラムの調整デスクを担当。特に、持続可能な暮らしと生業を目指すコミュニティレベルでの取り組みを支援に力を入れている。

アカトゥ研究所 教育マネージャー

デニス・コンセリェイロ

デニス・コンセリェイロ

アカトゥ研究所 教育マネージャー

ブラジルのアカトゥ研究所の教育マネージャーであるデニス・コンセリェイロ氏はジャーナリズムと法律の学位を持ち、大学院では国際関係学を修めた。Amigos da Terra – Amazônia Brasileira, Conectas Human RightsやCEATS/FIA-USPといった団体において人権、子どもや青年の権利に焦点を当てた社会的、環境的な動機付けのための教育コミュニケーション戦略を開発し10年以上にわたり遂行してきた。

アフリカ保全トラスト 環境教育プロジェクトマネージャー

ブリジット・リングダール

ブリジット・リングダール

アフリカ保全トラスト 環境教育プロジェクトマネージャー

スウェーデン・ルンド大学修士号(環境科学)、ケープタウン大学名誉学位(環境科学)及びクワズルナタール大学において科学の学士号を取得。環境問題に情熱を注ぎ、可能な限り植物ベースでサステイナブルな暮らしを送っている。

GISを専門とする環境コンサルタントとしてキャリアをスタートしたが、WESSAへの移籍後は、プロジェクトコーディネーターとしてスウェーデン国際開発協力庁・米国国際開発庁の支援する南部アフリカ開発共同体(SADC)環境教育プログラムに貢献した。2006年、WESSAエコスクールプログラムのマネージャーに就任。以後10年にわたり、南アフリカでもっとも広く知られ尊敬を受ける環境教育プログラムを主導した。2014年、南アフリカにおいて国際ウォーターエクスプローラープログラムを開始、以後、同プログラムは行動志向型な学校プログラムとして成功を収める。国連持続可能な消費と生産10年計画枠組み「持続可能なライフスタイル及び教育プログラム」の一環であり、IGESがコーディネーターを務めるGlobal Search for Sustainable Schoolsプログラムにおいては、南アフリカのプロジェクトをリードしている。

インランド・ノルウェー応用科学大学教育学部准教授・持続可能な開発のための共同学習センターディレクター

ロバート・J・ディダム

ロバート・J・ディダム

インランド・ノルウェー応用科学大学教育学部准教授・持続可能な開発のための共同学習センターディレクター

ロバート・J・ディダム(Ph.D.)インランド・ノルウェー応用科学大学准教授、持続可能な開発のための共同学習センターディレクター。コミュニティベースの持続可能な開発、公衆参加と社会的学習をバックグラウンドとし、多数の分野横断型研究及び能力開発事業に従事してきた。また、持続可能な開発のための教育、持続可能な消費、適応学習に関する国際研究の調整、複数の政府に対する政策形成支援にも関与している。IGESにおいては能力開発・教育分野のシニアコーディネーターを務めた。インランド・ノルウェー応用科学大学では、トランスフォーマティブ・ラーニングのアプローチを用い、地域レベルでSDGsの実現を目指す行動の参加型計画と実行に関するアクションリサーチを指揮している。

IGES 持続可能な消費と生産(SCP)領域 プログラムマネージャー

ドウェイン・アップルビー

ドウェイン・アップルビー

IGES 持続可能な消費と生産(SCP)領域 プログラムマネージャー

IGES持続可能な消費と生産領域 プログラムマネージャー。過去10年に渡り、政府、金融機関、民間企業及び非営利セクターと協力し、産業・製造業や政府の政策形成、消費者行動等、サステイナビリティに関するシステム的課題に取り組んできた。また、持続可能な消費と生産に関するグローバル・リサーチフォーラム(GRF-SPaC)設立メンバーとして、持続可能なライフスタイルに関する国連環境計画との事業にも貢献している。ロンドンスクールオブエコノミクスにおいて、サステイナブル・グリーンエネルギーへの転換に関する政府の役割を研究し、開発学修士を取得。

健康と健康な環境のためのアルメニア女性、コミュケーションスペシャリスト

ゴハール・コジャヤン

ゴハール・コジャヤン

健康と健康な環境のためのアルメニア女性、コミュケーションスペシャリスト

モスクワ州立教育大学卒、イェレヴァン・ブルソフ州立語学・社会科学大学にて修士号を取得。イェレヴァン州立教育研究所及びレバノン・ベイルートのアルメニア慈善協会ガーミリアン校にて教鞭をとる。1993年から2003年まで、国連児童基金(UNICEF)アルメニア支部に勤務、コミュケーション、計画、ならびにモニタリング・評価を担当。2004年から2005年には、米国に基盤を置く慈善団体であるアルメニア・アイケアプロジェクトのイェレヴァン事務所にて公教育ディレクターを務める。家族の事情により一時的に職を離れていたが、2010年よりNGO「健康と健康な環境のためのアルメニア女性」にコミュケーションスペシャリストとして参加。

フィリピン環境・サステイナビリティ意識センター 理事長/GSSSフィリピン・コーディネーター

ソコッロ・パティンドル

ソコッロ・パティンドル

フィリピン環境・サステイナビリティ意識センター 理事長/GSSSフィリピン・コーディネーター

環境及び社会セーフガードの専門家として、延べ15年に渡りコンサルタント企業、政府、国際金融機関に従事。環境、健康および安全に関するコンサルタントとして多数の開発プロジェクトに参加したのち、2003年から2008年にかけて、世界銀行フィリピン事務所に、環境担当職員及び環境・社会セーフガード担当コンサルタントとして勤務。

環境学及び環境資源管理の修士号、国際環境法の学士号を持ち、現在は博士候補として環境管理の研究を行っている。また、ISO14001:2015(環境マネジメントシステム)の監査人としても経験を積み、アボイティツ電力社において環境管理担当副社長補佐を務めた。現在は、フィリピン環境・サステイナビリティ意識センター(PCEAS)を率いる。

持続可能な熱帯農業財団ディレクター 熱帯農業大学(UTA)コロンビア

リリアン・ロドリゲス・ヒメネス

リリアン・ロドリゲス・ヒメネス

持続可能な熱帯農業財団ディレクター 熱帯農業大学(UTA)コロンビア

フンボルト大学において持続可能な熱帯農業の博士号を取得。コロンビア、ベトナム、カンボジアの大学及び非政府研究機関に研究員、コンサルタント、コーディネーターとして従事し、統合農業システムの研究と能力開発を担当してきた。

2003年、UTAコロンビアにおいて、持続可能な熱帯農業財団を設立、以来ディレクターを務める。同財団では、国内外の農村コミュニティ及び家族を対称に、環境面で持続可能であると同時に健康で経済面でも健全な食料生産と消費の普及を図り、バイオガス、太陽光等の再生可能エネルギー、食料・飼料生産の改善、持続可能な畜産等を推進している。

Creating Sustainable Value ディレクター 気候投資基金シニア・サステイナビリティ・コンサルタント

マイク・ワード

マイク・ワード

Creating Sustainable Value ディレクター 気候投資基金シニア・サステイナビリティ・コンサルタント

持続可能な開発と学習に関する25年以上の経験を持つ。1998年から2011年にかけて、アフリカ、アジア及び欧州において持続可能な開発のための教育のプログラムを企画運営。南アフリカ野生・環境協会の会長を務めた後、Creating Sustainable Value社を創設、ディレクターとして運営する。また、気候投資基金には「公正なトランジション」に関するコンサルタントとして貢献している。

環境省 地球環境局国際連携課
課長補佐

尼子 直輝

尼子 直輝

環境省 地球環境局国際連携課 課長補佐

2003年入省後、主に自然保護の分野に従事。北海道東部や小笠原諸島で国立公園管理官としての経験を持つ傍ら、特定外来生物や渡り鳥、サンゴ礁、ラムサール条約、ワシントン条約(CITES)、生物多様性条約(CBD)などの問題に取り組んできた。現職ではUNEP関連など地球環境問題全般に携わっている。