facebooktwitterlinkdinmaillanguage

包摂的で安全かつ強靱で持続可能な開発を実現するため、SDGsの相乗効果とトレードオフを理解する

多部門にわたる政策の一貫性を確保し、持続可能な開発の社会的、経済的、環境的側面のバランスを取るためには、持続可能な開発目標(SDGs)の、各ゴール間のシナジーとトレードオフを理解することが重要です。COVID-19のパンデミックとその後の世界的危機は、何十億もの人々の生計と日常生活に影響を及ぼし、多くの社会および経済的分野での数十年にわたる進歩を危うくしています。現在、より包摂的で持続可能な社会を構築するための変革が急務となっています。長期的な、安全かつレジリエントで持続可能な社会に向けた開発を導くために、SDGsはCOVID-19以前よりも重要性を増しています。必要とされる変革を支援するために、SDGs間のシナジーとトレードオフを理解することがこれまで以上に求められています。しかし、シナジーとトレードオフはどのように相互作用し、2030年のSDGsの達成に影響を与えるのでしょうか?COVID-19による世界的な危機から得た知識を組み込み、シナジーとトレードオフを分析するための既存のフレームワークやツールをどのように改善できるでしょうか?シナジーとトレードオフの知識と分析をどのように使い、実際的な政策立案をサポートできるでしょうか。

TT-4では、上記の3つの疑問について議論します。ヨーロッパとアジアの専門家からは、これらの疑問に関する知識と考察を共有していただきます。さらに、SDGsの各ゴール間のシナジーとトレードオフの知識を活用して、私たちが目指す世界に向けた望ましい変革を支援するための解決策や提案を行います。

関連リンク

Trade-offs between SDG goals and targets at the sub-national scale create inequalities between segments of society when attempting to achieve the SDGs at the national level. In this research, we worked in China's Luanhe River Basin as a sub-national level case study to investigate how land use and land use change impact on flood risk and ecosystem services and disservices and more broadly on SDGs 6, 7, 11 and 13, with potential additional relevance to Goals 1, 2, 8 and 15. Land use and land use change is one of the anthropogenic drivers influencing…

スピーカー

IGES 理事長

武内 和彦

モデレーター

武内 和彦

IGES 理事長

1974年東京大学理学部地理学科卒業、1976年同大学院農学系研究科修士課程修了。農学博士。東京大学アジア生物資源環境研究センター教授などを経て、1997年より2012年まで同大学院農学生命科学研究科教授、2008年より2016年6月まで国連大学副学長・上級副学長。2012年4月より東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)機構長、教授/特任教授。2017年7月より公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)理事長。
2019年4月より東京大学未来ビジョン研究センター特任教授。中央環境審議会会長、Sustainability Science誌(Springer)編集長、Distinguished Chair, Wangari Maathai Institute for Peace and Environmental Studies, University of Nairobi等を兼務。

専門は、緑地環境学、地域生態学、サステイナビリティ学。

グラスゴー大学 学際的研究スクール 環境リスクとコミュニティ・レジリエンス学科 教授

発表資料(1.9MB)

ファブリス・ルノー

ファブリス・ルノー

グラスゴー大学 学際的研究スクール 環境リスクとコミュニティ・レジリエンス学科 教授

ファブリス・ルノー博士はグラスゴー大学ダンフリーズ校における学際的研究スクールの環境リスクとコミュニティ・レジリエンスの教授のほか、スコットランドの自然災害に対するレジリエンス構築を目的とする組織である国立レジリエンスセンターの研究ダイレクターとして活動されています。ルノー博士の研究対象の中には、主に水文気象学的ハザードと沿岸および三角州システムに焦点を当てた、自然災害にさらされる社会生態学的システムの脆弱性とリスクの評価が含まれており、その研究は特に地域社会からの観点において、災害リスクの軽減と気候変動への適応に対して生態系が果たす複数の役割を理解することを目的としています。また博士は、生態系に基づいた災害リスク軽減に関する国際自然保護連合の生態系管理委員会(IUCN-CEM)においてテーマグループを共同統括しています。

IGES 戦略的定量分析センター
リサーチリーダー

発表資料(1.3MB)

周新

周新

IGES 戦略的定量分析センター リサーチリーダー

現在、IGESの戦略的定量分析センターを統括し、持続可能な開発目標(SDGs)の各目標の相関の分析と可視化ツールの開発・応用、緑の投資の雇用効果の評価、および水・エネルギーネクサス(連環)などの研究に従事。近年、インドネシアにおける自国が決定する貢献(NDC)の労働市場への影響の定量分析、日本におけるカーボンプライシングと国境税調整における産業競争力とカーボン・リーケージへの影響評価、東北アジアにおける環境財・サービス部門の雇用効果の評価、2050低炭素ナビの開発等に従事。2007年名古屋大学環境学研究科修了、環境学博士。1994年から中国環境保護部・環境保護政策研究センター(PRCEE)に勤務し、政策研究ディレクターとして環境に関する国の政策立案を支援する多くの政策研究を主導。中国政府への学術的・社会的貢献が認められ、複数の国家科学賞を受賞。

ストックホルム環境研究所 アジアセンター シニア・リサーチ・フェロー

発表資料(4.1MB)

アルバート・ムティア・サラマンカ

アルバート・ムティア・サラマンカ

ストックホルム環境研究所 アジアセンター シニア・リサーチ・フェロー

アルバート氏はストックホルム環境研究所のアジアセンターにおいて、シニア・リサーチ・フェローとして気候変動、災害及び開発クラスターの指導を行っており、また東南アジアのいくつかの国で気候変動への適応、天然資源管理、保全、開発、そして持続可能な生活などに対する課題への取り組みについて15年以上の経験があります。現在はレジリエンス、リスクと脆弱性、伝統的な生態学的知識、可動性と空間連鎖、災害による避難、そして持続可能な生活などのテーマを研究対象としています。彼は英国グローバルチャレンジリサーチ基金(GCRF)のリビングデルタハブのメンバーであり、共同編集者として参加した「アジア太平洋における気候変動、災害、国内避難民(Climate Change, Disasters, and Internal Displacement in Asia and the Pacific)」という書籍が近年Routledge社から出版されています。

これまでにも、開発と災害リスクの変容に関してストックホルム環境研究所(SEI)の国際的イニシアティブを主導し、Climate and Living Traditions(気候と伝統的な生活)校を通じて気候サービスイニシアチブに貢献しています。その他、地域気候変動適応知識プラットフォーム(AKP)とガバナンスの変化によるパートナーシップや、バリの文化的景観などのプロジェクトを管理しており、SEIがホストを務めるweADAPTと言う適応ポータルに貢献しています。アルバート氏はダラム大学(英国)で地理学の博士号を取得しています。

国連大学 環境・人間の安全保障研究所(UNU- EHS)環境的脆弱性と生態系サービス シニア・サイエンティスト

発表資料(4.1MB)

ジャック・オコナー

ジャック・オコナー

国連大学 環境・人間の安全保障研究所(UNU- EHS)環境的脆弱性と生態系サービス シニア・サイエンティスト

国連大学環境・人間の安全保障研究所(UNU-EHS)に属する環境脆弱性と生態系サービス(EVES)セクションのシニアサイエンティストであるジャック・オコナー博士は、主に沿岸の社会生態系(SESs)における人為的影響の管理と緩和についての専門知識を持ち、生態系に基づく適応と持続可能な開発に注目するエコロジスト及び環境サイエンティストです。 博士は、主要な三角州(デルタ)での持続可能な開発のための新しい社会生態学的な枠組みを展開する学際的研究者の国際共同事業体であるグローバルチャレンジリサーチ基金(GCRF)のリビングデルタハブに参加しており、そこでの研究役割として、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のデルタレベルのモニタリングを改善させ、デルタ特有のSDGsにフォーカスした新しい指標に基づく評価枠組みについて、ステークホルダーと共同で導き出しています。

IGES 持続可能性ガバナンスセンター リサーチリーダー

発表資料(841KB)

エリック・ザスマン

エリック・ザスマン

IGES 持続可能性ガバナンスセンター リサーチリーダー

IGESの持続可能性ガバナンスセンター リサーチリーダー。テキサス大学オースティン校公共政策およびアジア研究にて修士号取得、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)にて政治学博士号を取得。過去20年間にわたりアジアの環境課題を主な研究対象とし、中国での水不足や大気汚染規制、環境規制分野での研究論文や出版物を多数執筆。中国の黄河管理委員会や環境科学研究アカデミーとも協働。現在、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書(第17章)のリードオーサーを務めている。