一般廃棄物 (MSW) の野焼きは一般的な慣行であり、特に廃棄物管理システムが不十分な途上国では一般的に行われています。現在、世界で 20 億人の廃棄物が収集されておらず、30 億人分以上の廃棄物が投棄されているか、管理下にない焼却の対象となっています(Circular, 2019)。通常、MSW の野焼きは比較的低温で行われ、粒子状物質(PM10、PM2.5)、微粒子ブラックカーボン(BC)、有機炭素(OC)などの汚染物質、並びに窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)および非メタン揮発性有機化合物(NMVOC)などのガス状汚染物質を排出します(UNEP, 2013)。さらに、廃棄物の野焼きは、多価炭化水素、水銀、ヒ素、微細粉塵、硫黄酸化物、塩酸など、環境および人体の健康に潜在的に有害なさまざまな物質の排出につながります。これらの物質の多くは、環境や人体に有毒で有害です(UNITAR and UNIDO, 2019)。野焼きの低減に関する取り組みは、環境と人間の健康を改善し、グローバル・メタン・プレッジ、ネット・ゼロ・イニシアチブ、パリ協定などの世界的なイニシアチブにも貢献する可能性があります。このように、アジアにおける野焼き問題が喫緊に取り組むべき課題であることを鑑み、IGES-CCET は、アジア数都市で廃棄物の野焼きに関する調査を実施し、その調査に基づいて報告書を作成しました(現在発行に向け最終調整中)。さらに、2022年4月には、国内外のパートナーを招いて廃棄物の野焼きに関するウェビナーを開催し、調査結果について議論しました。当該ウェビナーのフォローアップ・イベントとして実施する本セッションでは、「廃棄物の野焼きを低減するためのグローバルなイニシアチブと優良事例」に焦点を当てて議論を行います。