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After ISAP: テーマ別会合3(AT-3)
  • 2024年1月29日
  • 14:00 - 15:30
  • 同時通訳あり

ネイチャーポジティブな世界に向けた、統合的で、包摂的で、地域に根差した社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)管理の実践

要約

本セッションでは、SEPLSアプローチが、統合的・包摂的かつ地域に根差した活動を通じて、ネイチャーポジティブ社会に向けた社会変容をどのように促進できるかに焦点を当てました。

武内和彦の開会挨拶と三輪幸司の導入説明に続き、SATOYAMAイニシアティブの一環であるSATOYAMA保全支援メカニズム(Satoyama Development Mechanism: SDM)の助成を受けて最近完了した4つのプロジェクトが各実施団体より報告されました。 最初に、バイェジッド・カーン氏がバングラデシュ・スンダルバンスのマングローブ林周辺における先住民や地域コミュニティとの参加型調査について報告しました。次に、マリン・ヨンソン氏から、メキシコにおけるシードバンクの設立と保全マニュアルの作成による持続可能な種子の保全について報告がありました。そして、台湾における若い世代のための伝統的な農業知識の保全に関して許靜娟氏より報告があり、最後にデセ・ヤデタ・エデサ氏よりエチオピアの乾燥地における絶滅危惧樹種の復元と保全の取り組みが報告されました。続くパネルディスカッションでは、SEPLSアプローチが統合的・包摂的かつ地域に根差した活動の推進に役立っている現場の事例に加え、気象災害やパンデミックなどの障壁を克服したそれぞれの経験を共有するとともに、SEPLSの保全と再生に向けたビジネス部門の関与について議論を深めました。

キーメッセージ
  • SEPLSは、人々と自然をつなぐために有用であり、世界のさまざまな文脈において、ネイチャーポジティブ社会の実現に大きく貢献する可能性を有している。
  • 気候変動による異常気象や世界経済の影響による物価上昇など、プロジェクト目標の達成に向けた進展を制約する外的要因がある一方、様々なステークホルダーの認識不足、生計の脆弱性、インフラ不足などの内的要因もある。
  • SEPLSの保全と再生を長期的に成功させるためには、ビジネス部門を含む様々なステークホルダーの能力開発と積極的な関与が重要である。

プログラム

開会あいさつ
武内 和彦 IGES 理事長
Setting the scene | Introduction of SDM and SEPLS and how SEPLS can related to nature positive
三輪 幸司 IGES 生物多様性と森林 研究員
Case study presentation 1 | Indigenous and ecosystem-based solutions in SEPLS management amid overlapping predicaments in the Sundarbans, Bangladesh
バイェジッド・カーン クルナ大学准教授/Unnayan Onneshan(UO)研究員
Case study presentation 2 | Fomenting the SEPL milpa (three sisters) through in situ landrace maize seed protection
マリン・ヨンソン Fundacion Semillas de Vida, A.C., Mexico ディレクター
Case study presentation 3 | Inheritance and application of Satoyama farming knowledge in Nan'an tribe
許 靜娟 Tse-Xin Organic Agriculture Foundation(TXOAF)コーディネーター
Case study presentation 4 | Restoration and conservation of globally endangered Cordeauxia edulis woody species in the drylands of Ethiopia’s Somali Region
デセ・ヤデタ・エデサ Ethiopian Biodiversity Institute (EBI) Forest and Rangeland Plants Biodiversity Research 研究員

パネルディスカッション

モデレーター
三輪 幸司 IGES 生物多様性と森林 研究員
パネリスト
ラシェッド・アル・マフムッド・ティトゥミル  Unnayan Onneshan(UO)会長
パネリスト
バイェジッド・カーン クルナ大学准教授/Unnayan Onneshan(UO)研究員
パネリスト
マリン・ヨンソン Fundacion Semillas de Vida, A.C., Mexico ディレクター
パネリスト
許 靜娟 Tse-Xin Organic Agriculture Foundation(TXOAF)コーディネーター
パネリスト
デセ・ヤデタ・エデサ Ethiopian Biodiversity Institute (EBI) Forest and Rangeland Plants Biodiversity Research 研究員
Closing remarks
鈴木 渉 Director, Biodiversity Strategy Office, Ministry of the Environment, Japan

セッションサポーター

ISAP2023 ポスターセッション

今年のISAPでは、メイン会場であるパシフィコ横浜5階のエレベーター前のスペースで、ポスターセッションを実施します。ポスターセッションとは、研究員がそれぞれの研究や活動を紹介するポスターを貼り出し、関心のある方・お立ち寄りいただいた方にその内容を直接ご説明する発表形式で、国際会議や学会などでは一般的な発表方法です。

IGESではISAPの会合で取り上げられているトピック以外にも、様々な研究や活動が行われています。そうした多様なプロジェクトについて、研究員と直接対話していただけます。研究員たちにとっても、質問を受けることによる新たな気づきや、同じような研究をしている方との繋がりなど、得るものが多いのがポスターセッションです。会場にお越しの際には、ぜひポスターの発表者に気軽に声をおかけください。ステージからの発表を聞くセミナーとはまた違った、ポスターセッションならではの会話のキャッチボールをお楽しみください。

さらに、今回はスペシャル企画として、生物や科学に興味を持つ中学生・高校生もポスターセッションに発表者として参加してくれます。IGESの研究員と肩を並べて自分の研究を発表する、若き研究者の卵にもご注目ください。

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