Before ISAP: テーマ別会合1(BT-1)
- 2023年12月14日
- 16:00 - 17:15
- 同時通訳あり
要約
本セッションでは、「気候行動とSDGs間のシナジー:相乗効果のある行動のエビデンス・ベースを強化する(グローバルシナジーレポート)」を執筆者自らが解説し、アジア太平洋地域においてシナジーを促進するための具体的方策や戦略を議論しました。
バハレ・セヤディ氏は、気候変動とSDGsのシナジーが最優先事項であると強調し、続く武内和彦は、ネット・ゼロ、持続可能な社会、自然との共生、循環型社会の構築を確立するためにはシナジーが重要であり、複数のSDGsを達成する上で地域循環共生圏の取り組みが効果的であると示しました。ルイス・ゴメス・エチェベリ氏は、グローバルシナジーレポートの要点を紹介し、シナジーが重要であるという認識が高まり、データ分析や情報が普及する中、政策立案者が活用しやすい知識プラットフォーム構築の必要性を指摘しました。
続くパネルディスカッションでは、カート・ギャリガン氏が基本的な都市サービスに重点をおくことで気候変動に対する潜在的な利益や環境と健康などのコベネフィットにつながると説明しました。中原一成氏は、3つの地球危機への対策としてのシナジーに関する決議案を第6回国連環境総会(UNEA6)に向けて提案したことなど、環境省の取り組みを紹介しました。郁宇青は、IGESバンコク地域センター内に設置されている国連気候変動枠組条約(UNFCCC)地域協力センター(RCC)では、持続可能な開発と女性、若者、先住民を含む気候エンパワメントにも注力していると述べました。
主要メッセージ- 2050年までにネット・ゼロ、持続可能な社会、自然との共生、循環型社会の構築を目指し、グローバルな課題解決を同時に達成するためには、シナジーを生みだすアプローチが有効である。大気汚染改善と健康などコベネフィットをもたらすアプローチも検討していく必要がある。
- アジア太平洋地域は世界全体の排出量の50%以上を占めており、その70%は都市部から排出されている。健康やインフラ、貧困、安全保障など、SDGsの多くの項目との関連性を考慮し、低炭素都市への移行を促進することが重要である。
- ステークホルダーの参画は、ネット・ゼロへの公正な移行と気候変動にレジリエントな未来への中核的要素である。