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パラレルセッション 6(PS-6)
  • 2023年12月19日
  • 15:20 - 16:50
  • 同時通訳なし:英語のみ

侵略的外来種に関する IPBES の評価: アジアへの影響

(英語のみ)

要約

本セッションでは、86名の専門家により4年がかりでとりまとめられ、2023年9月に発表された侵略的外来種評価報告書の解説を行うとともに、報告書で指摘された選択肢を政策にどのように反映すべきかについて議論を深めました。はじめに、尼子直輝が報告書の背景を説明し、続いて執筆者のヘレン・エリザベス・ロイ氏とサンカラン・カヴィレヴェーティル氏が解説を行い、侵略的外来種が食料安全保障、人間の健康、経済に及ぼす様々な悪影響を強調しました。そして、侵略的外来種を管理するための、侵入予防、早期対応の体制整備、根絶、封じ込め、制御を含むアプローチを提示し、効果的な管理には強力な政治的意志と統合的ガバナンス、つまりパートナーシップ、協力、調整を含むアプローチが必要であることを共有しました。次に、バディア・アフマド・サイード氏は、東南アジア諸国連合(ASEAN )地域で最も多くの侵略的外来種を有するのがインドネシア、フィリピン、マレーシアであることを踏まえ、侵略的外来種の背景を説明しました。中でも最も深刻であるのはインドネシアの国立公園であり、インドネシア政府は統合的ガバナンスを採用し、ASEAN侵略的外来種行動計画を作成することで対策を主導していると述べました。最後に、中尾文子氏が、侵略的外来種の管理に向けた民間部門の巻き込み、新たな規制の創設、G7ワークショップにおける侵略的外来種問題の強調など、日本の取り組みや措置について報告しました。

主要メッセージ
  • IPBES侵略的外来種評価報告書は、全世界の侵略的外来種に関する最良の根拠と重要な分析を提供する最初の包括報告書であり、昆明・モントリオール生物多様性枠組のターゲット6の達成に貢献するものである。
  • 侵略的外来種は生物多様性損失の5つの主要な要因のひとつであり、2019年には少なくとも年間4,230億ドルのコストを生じさせている。人類の活動が侵略的外来種増加の主な原因であるが、人類の行動によって解決に導くこともできる。
  • インドネシアと日本は、この報告書を活用して統合的ガバナンスを採用し、規制を見直し、民間企業、先住民コミュニティ、学生などのステークホルダー向け教材を作成している。

プログラム

モデレーター
アンドレ・デレク・マダー IGES 生物多様性と森林領域 プログラムディレクター
歓迎の言葉
尼子 直輝 IPBES侵略的外来種評価技術支援機関 IPBES-TSU-IAS ヘッド
ヘレン・エリザベス・ロイ 英国生態学水文学センター 生態学者
サンカラン・カヴィレヴェーティル ケララ森林研究機関 研究評議会メンバー
中尾 文子 環境省 自然環境局 自然環境情報分析官
バディア・アフマド・サイード インドネシア共和国環境林業省 種・遺伝子多様性保全課 種・遺伝子保存担当課長代理
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ISAP2023 ポスターセッション

今年のISAPでは、メイン会場であるパシフィコ横浜5階のエレベーター前のスペースで、ポスターセッションを実施します。ポスターセッションとは、研究員がそれぞれの研究や活動を紹介するポスターを貼り出し、関心のある方・お立ち寄りいただいた方にその内容を直接ご説明する発表形式で、国際会議や学会などでは一般的な発表方法です。

IGESではISAPの会合で取り上げられているトピック以外にも、様々な研究や活動が行われています。そうした多様なプロジェクトについて、研究員と直接対話していただけます。研究員たちにとっても、質問を受けることによる新たな気づきや、同じような研究をしている方との繋がりなど、得るものが多いのがポスターセッションです。会場にお越しの際には、ぜひポスターの発表者に気軽に声をおかけください。ステージからの発表を聞くセミナーとはまた違った、ポスターセッションならではの会話のキャッチボールをお楽しみください。

さらに、今回はスペシャル企画として、生物や科学に興味を持つ中学生・高校生もポスターセッションに発表者として参加してくれます。IGESの研究員と肩を並べて自分の研究を発表する、若き研究者の卵にもご注目ください。

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