- 2025年7月29日
- 17:20 - 17:50
- 503 + オンライン
- 同時通訳あり
総括とキーメッセージ
字幕機能のご案内
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要約
小野洋IGES 所長は、今回の ISAP 開催にあたり支援を頂いた関係機関、各会合の登壇者と参加者に謝意を示しました。そして、NGO 「Climate Youth Japan」のメンバーが作成したサマリーをもとに、各会合での議論を振り返り、主要な論点を報告しました。全体会合1では、トリプル・クライシスの中でアジア太平洋の持続可能性と安全保障を高めるには、シナジーを通じて共通の利益を最大化していくことが不可欠であり、ガバナンスレベルを超えた協力体制や資金調達、能力構築が求められることを共有しました。全体会合2では、次回COP30に向けて、グローバル・ストックテイクを踏まえた即時行動と、気候変動対策と社会課題とのシナジー強化を提言しました。全体会合3では、ASEANのネット・ゼロ移行に向けて、脆弱層を取り残さない社会的包摂の主流化が不可欠であり、公正な枠組みの構築と多様なステークホルダーとの協働が求められることを確認しました。全体会合4では、地域循環共生圏への民間セクターの参画促進を議論し、企業価値を社会的・環境的価値も含めた多面的な指標として捉える視点への転換が重要となることを示しました。全体会合5では、IGESが主導する国際プロジェクトを通じて、都市における気候変動緩和と健康のコベネフィットが可視化され、市民の行動変容につながることが期待されているとしました。
次に、山﨑泰士氏と北川桜子氏が、若者世代とのインタラクティブ会合の報告を行いました。環境分野への若者の意味ある参画をテーマに対話を行った会合1では、登壇者自らが考案したアクションプランを発表し、異なる分野・組織間の協働を通じたシナジー創出、若者にとってもwin-winの関係を構築することが重要であるといった提言がなされました。会合2では、日本各地のSDGs先進モデル地域を訪問した学生と受け入れ自治体側が、それぞれの学びを共有し、どのようなSDGsの担い手を目指していくかについて活発な意見交換を行いました。
最後に、小野所長は、地球規模課題を地域にスケールダウンするとともに、地域課題を地球規模にスケールアップする必要性を指摘した上で、公正な移行の概念を踏まえながら様々な課題に対して統合的に解決を図るシナジーの強化が、SDGsの実施を加速させ、トリプル・クライシスへの効果的な対応につながるとして、ISAPでの議論を総括しました。

小野 洋
IGES 所長
京都大学大学院エネルギー科学研究科 学生

北川 桜子
京都大学大学院エネルギー科学研究科 学生
小学校3年生で東日本大震災、それに伴う停電を経験し、電気がない生活の不便さや現在の電力システムの仕組みに対する違和感から、分散型エネルギーシステムに興味を持つ。
東北大学工学部でエネルギーについて工学の観点から学びを深め、エネルギーをより多角的な視点で考えられるようになりたい、という思いで京都大学エネルギー科学研究科に進学。現在は、人口減少・需要縮小が予想される日本の地方において、長期の投資回収が必要な分散型エネルギーシステムの導入は経済的・社会的にサスティナブルになりえるか?日本の各地域に根付く、長い歴史が紡いできた営みや文化、伝統技術、寺社仏閣をどのように後世に残し、活かしていくか?など、地域持続性×再エネ分散型エネルギーシステムを探求中。