- 2025年7月29日
- 13:20 - 14:50
- 501 会場限定
- 日本語のみ
環境・サステナビリティ分野における、若者の意味ある参画に向けた協働の道筋
要約
本セッションの第1部では、若者(ユース)の意味ある参画について議論を行い、第2部では、ユースによる具体的なアクションプランが発表されました。
第1部の冒頭、ファシリテーターの福田美紀が、2030年の持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて、軌道に乗っているターゲットはわずか18%しかないという危機的な状況の中、ユースへの期待が高まっていることを示しました。2024年9月の国連未来サミットでは、ユースの意味ある参画についてグローバルレベルで話し合われたこと、日本では、2023年にこども家庭庁が創設され、ユース参画への注目が高まっていることに言及しました。また、兵庫県などの地方自治体や民間企業においてユース参画の様々な取り組みが行われていることも紹介しました。このように、ユースが意見を聞かれる「量(機会)」は増えたものの、「質」の向上が依然として課題であると指摘し、単にユースを登壇させるだけでなく、大人と同等の権限を持ち、必要に応じて対価や支援を得られるような、意味ある参画への転換が必要であると問題提起しました。続くパネルディスカッションでは、鈴木渉氏が、ユースの参画を国内外の環境行政に関わる中で見てきた経験から、ユース世代のエネルギーと知見の活用が不可欠であり、それを促進し得る大人との協働もまた重要であると強調しました。瀬尾隆史氏は、民間企業で次世代を育成するプロジェクトを長く主導してきた経験から、ユースがサステナビリティについて学ぶ機会が重要であると指摘しました。また、環境問題に対する社会(大人)の姿勢がこの数十年で着実に変わってきているとも述べました。矢動丸琴子氏は、ユースとしての経験を踏まえ、ユースが環境分野で活動に携わる意義とともに、新法人の立ち上げに際し、育てていきたい次世代像や社会について語りました。
第2部では、一般社団法人NatureLit Japan(NLJ)とIGESが6月に共催したワークショップ「一歩踏み出すエコ・アクション:世界環境の日に、私たちにできることを考える」に参加したユース3名によるアクションプランが発表されました。森山遥月氏は、秋田県内の海水浴場におけるマイクロプラスチック問題に対処することを目的としたビーチクリーンプロジェクトを紹介しました。山﨑泰士氏は、自身のYouTubeチャンネルを活かした、より効果のある環境問題の情報発信について発表しました。宇佐碧氏は、日常的に自然に触れ、パワーをもらえるようなきっかけづくりとしての体験型ヒーリングツアーの企画を説明しました。各発表に続き、より良いアクションの実施に向けたディスカッションの時間を設け、会場参加者と双方向での闊達な意見交換を行いました。
サマリ―作成者:小野 麻夕子(ONO Mayuko)、福田 美紀(FUKUDA Miki)




