Session
気候変動に打ち勝つ3つの道
長期脱炭素戦略:円滑な変革への道筋
パリ協定では、産業革命前からの気温上昇を2℃より十分に低く抑える長期目標を掲げたうえで、さらに1.5℃に抑える努力を追及していくとしており、今世紀後半における脱炭素化が求められている。こうした脱炭素化には産業転換や政治的決断により、現在のエネルギー、経済、社会システムを迅速かつ抜本的に変えていくことが不可欠となり、今世紀中頃までにこうした急速な変革を如何に円滑に進めていくことができるかを戦略的に考えていくことが重要である。
本セッションでは、他国の経験を学び、低炭素戦略の策定にあたっての要点を同定し、また具体的な実施に向けて如何に前向きに課題を解決していくかを議論する。また、他国の長期低炭素戦略の先行事例を参照することで、日本における長期戦略を巡る議論への貢献を目指す。
今回、ドイツからは、ルール工業地帯におけるエネルギー多消費型産業の脱炭素化に向けた取り組みが紹介され、またフランスからは同国の低炭素戦略の概説、その課題と、具体的な取組みが紹介される予定である。
SSS
田村 堅太郎
IGES気候変動とエネルギー領域リサーチリーダー
SSS
ステファン・レッテンボーマー
ヴッパータール気候・環境・エネルギー研究所フューチャー・エネルギー・アンド・モビリティ・ストラクチャーズ ディレクター
SSS
ステファン・ル・ドゥ
在日フランス大使館持続可能な開発参事官
モデレーター
増井 利彦
国立環境研究所(NIES)社会環境システム研究センター統合環境経済研究室長
モデレーター
増井 利彦
国立環境研究所(NIES)社会環境システム研究センター統合環境経済研究室長
国立環境研究所社会環境システム研究センター室長及び東京工業大学工学部連携教授。1997年に大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。国立環境研究所では、アジア太平洋統合評価モデルAIMの開発とそれを用いた政策評価に関する分析に携わる。中央環境審議会では長期低炭素ビジョン小委員会の委員も務める。
SSS
ステファン・ル・ドゥ
在日フランス大使館持続可能な開発参事官
ステファン・ル・ドゥ氏は現在、在日フランス大使館の持続可能な開発参事官を務めている。同氏はエネルギー、環境、交通および建設に関連するプロジェクトに焦点を当てた、地域経済部の持続可能な開発ユニットのリーダーである。日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの担当として、二国間協力の強化とビジネスチャンスの促進にも携わっている。在日フランス大使館で勤務するまでは、仏住宅・持続可能な住居省、エコロジー・持続可能開発・エネルギー省、土地とインフラ省等の様々な職務を経験した。同氏は、国立国家公共事業学校の公務エンジニアの学位を有している。
SSS
ステファン・レッテンボーマー
ヴッパータール気候・環境・エネルギー研究所フューチャー・エネルギー・アンド・モビリティ・ストラクチャーズ ディレクター
ヴッパータール気候・環境・エネルギー研究所にて、地域・国・国際レベルのエネルギーと気候シナリオ分析の応用研究、及び持続可能な低炭素社会に向けたシナリオを担当。エネルギーとGHG排出シナリオ分析について様々な研究を行い、主導してきた。現在はエネルギー集約型素材産業における脱炭素戦略に焦点をあてた持続可能な未来のエネルギーシステムの研究を行っている。フレンスブルグ大学マネジメント国際研究所エネルギーと環境マネジメント博士号、ミュンスター大学地理学、経済学及び政治科学のディプロマを取得。スウェーデン・ルンド大学「持続可能な未来のエネルギーシステム」非常勤教授。低炭素社会国際研究ネットワーク(LCS-RNet)のメンバーであり、GHGインベントリ、政策・施策、GHG予測の分野でUNFCCCに専門家登録(Roster of Experts)されている。