テーマ別会合 4 (TT-4)
  • 2025年10月8日
  • 15:00 - 16:30
  • オンライン
  • 同時通訳あり

アジア太平洋気候安全保障事業の進展と課題:多様なリスクへの対応策の検討

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要約

セッションでは、IGES が実施するアジア太平洋気候安全保障事業の研究成果について発表しました。事業概要を説明する岡野直幸氏のフレーミングプレゼンテーションに続き、ナンダ・クマール ジャナルダナンは、気候変動が国家の安全保障にも深く関わるクリーンエネルギーへの転換に与える影響を説明しました。

続いて福田美紀は、気候変動が引き起こす人の移動について、国内外への移住が起きている国(例:フィジー)と移住先の国(例:豪州、ニュージーランド)の分析から得られた知見を報告しました。

山辺アリスは、気候変動が食料安全保障に多大な影響を及ぼしている現状を踏まえ、従来の食料安全保障の概念における構成要素(食料供給、食料アクセス、食料安定性、食料利用可能性)に持続可能性、主体性、レジリエンスの3 要素を加えた食料安全保障の再定義を提案しました。 プラバカール・シヴァプラムは、各国の国家適応計画(NAP)の分析結果から、 NAPが気候変動適応と気候安全保障の間のシナジーを高めることで、地域住民の安全保障に資する可能性を示唆しました。

秋元一峰氏は、温暖化により北極海航路が利用可能になると、地政学的な安全保障環境が大きく変化することを指摘しました。

最後に、将来の気候安全保障研究に何が必要かについて議論を深めました。

主要メッセージ
  • 気候安全保障上の課題は国や地域によって異なる形で現れるため、リスクの性質と対応能力の両面における格差を露呈している。対応策として、気候安全保障の観点をNAP に盛り込むことへの支援などが考えられる。日本は、それらの課題解決のため、地域の中で主導的な役割を果たすことができる。
  • 気候変動を一因とする人の移動や食料安全保障は、人間の安全保障に係る重要課題である。人の移動に関しては、文化やアイデンティティーを尊重しながら移住を可能にする人間中心のアプローチが求められる。食料安全保障は、持続可能性、主体性、レジリエンスという新たな要素を考慮することでさらに強化される可能性がある。
  • 気候変動は国家安全保障にも影響を与える。クリーンエネルギーへの転換プロセスは、各国のエネルギー安全保障確保に多面的な影響をもたらす。予見される北極海航路の開通に関しては、北極海の安全保障を協議する国際的な枠組みが必要となる。

サマリ―作成者: 津高 政志(IGES)

パネル討論

モデレーター
岡野 直幸 国連大学サステイナビリティ高等研究所 プログラムオフィサー
ナンダ・クマール ジャナルダナン IGES 気候変動ユニット 副ディレクター
福田 美紀 IGES サステイナビリティ統合センター 主任研究員 / レンズ・ファシリテーター
山辺 アリス IGES 持続可能な消費と生産ユニット 研究員
プラバカール・シヴァプラム IGES 気候変動ユニット 上席研究員
 笹川平和財団 海洋政策研究所 名誉フェロー
岡野 直幸

岡野 直幸

国連大学サステイナビリティ高等研究所
プログラムオフィサー

ナンダ・クマール ジャナルダナン

ナンダ・クマール ジャナルダナン

IGES 気候変動ユニット 副ディレクター

福田 美紀

福田 美紀

IGES サステイナビリティ統合センター
主任研究員 / レンズ・ファシリテーター

山辺 アリス

山辺 アリス

IGES 持続可能な消費と生産ユニット 研究員

プラバカール・シヴァプラム

プラバカール・シヴァプラム

IGES 気候変動ユニット 上席研究員

笹川平和財団 海洋政策研究所
名誉フェロー

秋元 一峰

秋元 一峰

笹川平和財団 海洋政策研究所 名誉フェロー

1967年海上自衛隊入隊、主として航空部隊に所属するとともに、海上自衛隊幹部学校指揮幕僚課程修了後は米海軍第7艦隊哨戒偵察部隊連絡幹部や航空開発試験部隊(第51航空隊)調査研究隊長、海上幕僚監部調査部情報班長、航空群首席幕僚などを経て、1995年からは防衛庁(現・防衛省)防衛研究所主任研究官として勤務し、2000年退官(海将補)。退官後、海洋政策研究財団(現・笹川平和財団海洋政策研究所)主任研究員を経て、2024年からは笹川平和財団海洋政策研究所名誉フェロー。