| ■持続可能な消費と生産への移行:有限な地球で豊かなアジアを実現するために |
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| アンソニー・チュー アジア持続可能な消費と生産円卓会議議長 / フィリピン・デラサール大学教授 | |
アンソニー・SF・チュー教授は、1998年以来、産業エコロジー、持続可能な消費と生産、資源効率とクリーナープロダクションの分野で国連機関に対して、国際的専門家、コンサルタントとして助言を行ってきた。チュー教授は、2002年のRio+10へのインプットとしてのアジア太平洋の産業報告書や、CSD18/19へのSCP報告書、資源効率とクリーナープロダクションの地域レビューといった国連環境計画、国連工業開発機関、国連アジア太平洋経済社会委員会が実施したアジア太平洋地域での複数の研究調査のリーダーとして貢献してきた。研究者であると同時に、フィリピン政府の国家公害査定委員会(国レベルでの大気、水、汚染に関わる裁判所に匹敵する組織)の委員である。チュー教授は、技術に関わる「アジア太平洋経営工学会議」、経営管理に関わる「アジア太平洋ビジネスイノベーション技術管理会議」、そして政策フォーラムである「アジア太平洋持続可能な消費と生産円卓会議」という3つのアジア太平洋地域大の組織の議長の要職についている。 |
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| マリア・ヨランタ・ヴェルフェンス ヴッパータール気候・環境・エネルギー研究所 プロジェクトコーディネーター | |
マリア・ヨランタ・ヴェルフェンス博士は、現在、ドイツのブッパタール気候・環境・エネルギー研究所の持続可能な生産と消費研究グループのプロジェクトコーディネーターである。彼女は、持続可能な消費と生産パターンへの移行や、教育とコミュニケーションに関するプロジェクトを担当している。過去17年で、東欧の環境面での近代化、更には製品とサービスの環境負荷、OECD諸国における消費の要因、持続可能性に関するリビングラボ(社会実証実験)などの分野横断的な研究調査を実施してきた。特に、2001年に環境分野での武田賞を受賞したシュミット・ブレークおよびフォン・ヴァイツゼッカーと協力して、エコロジカル・リュックサックの概念の発達に貢献した。また、ワルシャワの持続可能な開発研究所の諮問委員であり、ドイツの「国連持続可能な開発のための教育の10年」円卓会議のメンバーである。彼女の研究分野は、持続可能な消費と生産に関する概念、戦略、そして手法にある。 |
| 原田 幸明 (独)物質・材料研究機構(NIMS)元素戦略センター長 | |
1979東京大学大学院工学系金属工学博士課程修了。1980年より科学技術庁金属材料技術研究所勤務。エコマテリアル研究分野の構築とLCAの日本への導入に貢献。2001年より(独)物質・材料研究機構エコマテリアル研究センター長、材料ラボ長を歴任。2009年より元素戦略センター長。その間「材料の低環境負荷ライフサイクルデザインのためのプロセシング」「マテリアルリースシステムの総合研究」「ナノテクノロジー影響の多領域専門家パネル」などの国プロの総括責任者をつとめ、近年は「2050年の資源消費予測」「日本の都市鉱山蓄積量」などを相次いで発表。代替・減量・循環の持続可能な資源戦略について発言と研究を進めている。 |
| パトリック・シュローダー 中国民間組織国際合作促進会 インターナショナルアドバイザー | |
パトリック・シュローダーは、現在、北京で中国国際民間組織合作促進会(CANGO)の国際アドバイザーとして、China Civil Climate Action Network (CCAN)の調整と国際コミュニケーションを支援している。これはドイツ技術協力公社(GTZ)の国際移民開発センターが推進するドイツ・中国の開発と気候変動関連の協力プロジェクトの一環である。彼は、ドイツのUNEP・ブッパタール持続可能な消費と生産国際連携センターのコンサルタントとして、アジアの持続可能な消費と生産に関する研究および中国でのプロジェクト実施支援を通じて、SWITCH Asia Network業務を支援した経験を有する。シュローダー氏は、現在、中国のエネルギーセクターの環境リープフロッグに関する博士課程研究を実施している。 |
| 小嶋 公史 IGES経済と環境グループディレクター | |
| マグナス・ベングソン IGES持続可能な消費と生産グループディレクター | |
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| ■危機に直面する地下水への対処戦略 |
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| 森島 昭夫 IGES特別研究顧問 | |
| 1934年生まれ。前中央環境審議会会長。1958年年東京大学法学部卒。1968年ハーバード大学ロースクール法学修士。1971年名古屋大学法学部教授に就任し、1988~1990年法学部長、1994~1996年同大学大学院国際開発研究科長を務める。上智大学法学部教授等を経て、1998年から2007年3月まで初代IGES理事長を務める。2000~2005年中央環境審議会会長。著書に『不法行為法講義』『医療と人権』(いずれも有斐閣)他多数。2007年4月より現職。2007年4月より特定非営利活動法人日本気候政策センター理事長。2007年6月より財団法人日本環境協会会長、2010年4月より同理事長を兼任。 |
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| チャヤウィー・ワンチャルェンルン タイ公害対策局水質管理課監察官 | |
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| ジェンチン・ヤン 中国水資源省地下水モニタリングセンター副所長 | |
| 1994年中国・河海(ホーハイ)大学水文学学士終了。博士(2005年、アイルランド国立大学ダブリンカレッジ大学)。1994年より、中国水資源部水理部において、水理管理、水資源モニタリングおよび水資源アセスメントに従事するほか、水理局傘下の水資源部地下水モニタリングセンターの管理に従事。地下水観測センターの副ディレクターとして、地下水モニタリングネットワーク開発プロジェクト、土壌湿度・干ばつ観測計画、モニタリング・分析・予測を通じた地下水における気候変動の影響に関するパイロットプロジェクト等を担当。国際標準化機構(ISO)の技術委員会地下水小委員会(ISO-TC113-SC8)メンバー。 |
| 徳永 朋祥 東京大学大学院新領域創成科学研究科環境システム学准教授 | |
| 東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。博士(工学)。東京大学大学院工学系研究科助手、ウィスコンシン大学地質学地球物理学教室客員研究員、東京大学大学院工学系研究科助教授等を経て現職。ひとと自然の関わりの中で生じる地圏環境の変化への対応をテーマに、地圏環境変化の把握・予測、持続可能な地圏利用のための技術開発等に関する研究に従事。一般社団法人日本地下水学会理事、編集委員長も務める。 |
| デヴェシュ・シャルマ エネルギー資源研究所(TERI)大学准教授 | |
2007年工学博士(統合的水資源管理学、AIT)。インダス-ガンジス河流域のためのCPWF-IWWI流域フォーカルプロジェクトを経て、TERI大学自然資源管理学部助教授。統合的水資源管理、気候変動及び水資源、水資源システム分野に関心が高く、様々な国内・海外のジャーナルに研究発表を行っているほか、土壌・水保全、統合的水資源管理、地下水管理、水の生産生産性(water productivity)、生活向上、気候変動および水資源などの水および農業セクターにおける様々な案件に関連する外部資金プロジェクトやコンサルタント事業に従事 |
| 片岡 八束 IGES自然資源管理・淡水サブグループディレクター | |
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| ■アジア途上国における企業環境管理の改善のための挑戦と機会 |
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| 石川 雅紀 神戸大学大学院経済学研究科教授 | |
| 東京大学工学部を卒業後、大学院に進学し、環境アセスメントモデルの開発の研究に従事し、工学博士の学位を授与。卒業後、東京水産大学(現在は東京海洋大学)食品工学科を経て、2003年4月から現職(環境経済学を担当)。 政府、自治体の審議会、委員会等において廃棄物政策、LCA、容器包装、温暖化ガス削減などに関する専門家として、約30年にわたり活動してきた。 2004~2008年日本包装学会会長、2010年から環境経済・政策学会理事、また(財)容器包装リサイクル協会では、1996年の設立以来評議員を務めている。1996年以降日本包装学会で大会委員長としてInternational Packaging Seminar を6回開催した。2004年4月、2006年6月にInternational Conference on Eco-Efficiencyをヒャルト・ヒュペス教授と企画・開催し、発表論文を学術雑誌特集号、学術書として刊行した。2010年6月には第3回の会議を開催予定である。 2006年には、廃棄物の発生抑制を目指すNPO法人ごみじゃぱんを設立し、神戸市において、大規模社会実験を実施している。 |
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| 石 磊(シ・レイ) 精華大学環境科学技術学部准教授 | |
| 研究分野は産業共生、物質循環分析、調和システム学および産業生態学へのアプローチである。博士は生態産業団地、循環経済に関係する宜興市、寧波市および福州市EIP事業(生態産業団地事業)を含む20以上の事業に携った。産業生態学および技術に関する中国全国人民代表大会常務委員会の委員であり、中国循環経済推進法の作成に参画した。石博士は産業生態学の分野において国際的に活躍している。第5回International Society for Industrial Ecology において共同議長を務め、産業生態学におけるアジア太平洋ワークショップを開催した。 |
| プロサント・パル エネルギー資源研究所(TERI)産業エネルギー効率部門シニアフェロー | |
エネルギー資源研究所(TERI)産業エネルギー効率部門シニアフェロー。所属研究部門はエネルギー効率の改善や産業界におけるクリーンテクノロジー促進に着手。氏は中小企業における省エネ技術のクリーナープロダクション研究-RDD&D(研究、開発、実証、普及)に携り、発展途上国間での技術移転に関して研究。これらの分野における様々な学際的研究プロジェクトを指揮、多くの国際、国内学術誌に論文を掲載、また鋳造業におけるクリーナーテクノロジーに関して執筆を行った。 インド工科大学化学工業工学学士取得、英国ウォーリック大学生産システム工学修士、英国ストラスクライド大学プロセス工学修士号取得。 |
| 花田 末広 北九州市環境モデル都市推進室環境産業政策係長 | |
1958年生れ。早稲田大学法学部卒業後、マスコミを経て1988年に北九州市に入職。 1997年に係長昇任。貿易振興課、国際経済課、国際交流課、産業政策課を経て、2010年4月から環境モデル都市推進室環境産業政策係長。 この間、2003年から2006年まで外郭団体へ出向し、JICAのコースリーダーとして「環境と開発」ほかの集団研修やカンボジアなどの国別研修を実施。 |
| 劉 憲兵 IGES関西研究センター主任研究員 | |
(財)地球環境戦略研究機関(IGES)関西研究センター主任研究員。研究分野は企業環境業績の強化のための環境行動・戦略。「Environmental Management」「Journal of Cleaner Production, Sustainable Development」 「Energy Policy」等の国際的に著名なジャーナルで10論文が掲載された。中国国家環境保護総局(SEPA:現在の中国環境保護部)に約7年間勤務し環境政策の発展に従事した。1997年に天津大学にて環境工学修士号を取得、2007年に岡山大学より博士号を取得。 |
| 志賀 雄樹 IGES関西研究センター研究員 | |
慶應義塾大学環境情報学部卒業。オーストラリア国立大学(ANU)、the Fenner School of Environment and Society修士課程修了。2009年にIGES関西研究センターに入所以来、企業環境管理や日印間の技術移転を含む、様々な研究プロジェクトに従事。 |
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| ■バイオ燃料は持続可能な社会の構築に貢献できるのか |
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| 武内 和彦 国連大学副学長・東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S) 副機構長 | |
1951年生。1997年より東京大学大学院農学生命科学研究科教授。2005年より東京大学サステイナビリティ学連携研究機構副機構長を併任。2008年7月より国際連合大学副学長を兼任。自然を活かした地域づくりの専門家として活躍。アジア地域を中心に、砂漠化や土地荒廃の防止についても研究。専門は、緑地環境学、地域生態学、地球持続学。著書には「生態系へのまなざし」(共著、東京大学出版会)、「地球持続学のすすめ」(岩波書店)など多数。農学博士。 |
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| ザクリ・アブドゥル・ハミド マレーシア科学大学サステイナビリティ研究センター長・マレーシア政府科学顧問 | |
| 松田 浩敬 東京大学サステイナビリティ学連携研究機構/地球持続戦略研究イニシアティブ特任講師 | |
東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)/地球持続戦略研究イニシアティブ(TIGS)特任講師 北海道大学大学院農学研究科博士前期課程(修士課程)修了後、同博士後期課程修了。(社)北海道開発技術センター・研究員、東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)特任助教を経て2009年より現職。専門は農業経済学および開発経済学。国際食料需給、農業試験研究開発投資、経済発展と栄養状態等について研究。農学博士。 |
| 齊藤 修 早稲田大学高等研究所助教授 | |
生態系サービスの評価・管理,特に生態系,人間,社会システムの相互連関(インターリンケージ)を中心に研究を展開している。主な研究実績には,日本の里山における広葉二次林の利用と植生変化,ベトナム・メコンデルタにおけるバイオマス利用実態と環境影響のシナリオ分析,マレーシアにおけるバイオディーゼル原料作物生産に伴う環境・社会影響評価などがある。 |
| 松浦 正浩 東京大学公共政策大学院 特任准教授 | |
1974年生まれ。東京大学工学部土木工学科卒。マサチューセッツ工科大学都市計画学科修士課程修了(1998年)、三菱総合研究所研究員(1998~2002年)、マサチューセッツ工科大学都市計画学科Ph.D.課程修了(2006年)を経て、現在、東京大学公共政策大学院特任准教授。Ph.D.(都市・地域計画)。主な著書に『実践!交渉学』(ちくま書房、2010年)訳書に『コンセンサス・ビルディング入門』(共訳、有斐閣、2009年)。 |
| マーク・エルダー IGESガバナンスと能力グループディレクター | |
環境ガバナンス、バイオ燃料、経済統合と環境、越境大気汚染、そして地域ガバナンスなどの研究プロジェクトを指揮してきた。その他の研究対象は、再生産可能な燃料や廃棄物とリサイクリングの関係など。ハーバード大学の行政学部で政治学の博士号を持ち、2006年9月にIGESのメンバーとなった。 |
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| ■生物多様性を育む - 戦略的政策と協調行動 |
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| 幸田 シャーミン ジャーナリスト | |
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| 渡邉 綱男 環境省大臣官房審議官 | |
1956年東京生まれ。東京大学農学部(森林風致計画学研究室)卒業後、環境庁に入庁し、全国の国立公園や野生生物の保護に取り組む。2001年、生物多様性企画官として環境省で「新・生物多様性国家戦略」づくりを担当。その後、東北海道地区自然保護事務所長として、釧路湿原の自然再生の立ち上げや知床の世界自然遺産登録を進める。自然環境計画課長を経て、現在、自然環境担当審議官。生物多様性条約COP10(国連地球生きもの会議)の準備をはじめ、国内・国際両面から生物多様性に関する政策の展開にあたる。 |
| ザクリ・アブドゥル・ハミド マレーシア科学大学サステイナビリティ研究センター長・マレーシア政府科学顧問 | |
| 武内 和彦 国連大学副学長・東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S) 副機構長 | |
| 小林 正典 IGESプログラムマネージメントオフィス シニア・コーディネーター | |
2004年よりIGES勤務。それ以降、持続可能性に関する国際・地域的ネットワークを支援し、特にアジア・太平洋地域を中心に政策対話・実証プロジェクト・優良事例分析・戦略研究などを進めてきている。それ以前は、国連砂漠化対処条約事務局(1997~2004年)、国連持続可能な開発部(1995~97年)、外務省駐ニューヨーク国連代表部専門調査員(1992-1995年)を歴任。法学修士および学術修士(国際法・行政学)。 |