ISAP2026 キービジュアル
パラレルセッション (PS-1)

「シナジー」を促すメカニズムの共創:多様な主体の協働によるグリーンインフラの社会実装

2026年7月22日 14:40 - 15:40 ローズサルーン+ オンライン 同時通訳あり

録画映像

要約

本セッションでは、気候変動、生物多様性の損失、汚染というトリプル・クライシスに対し、自然が持つ多機能性を活用したグリーンインフラを社会実装するためのシナジーアプローチについて議論しました。従来のグレーインフラ(コンクリート等の人工構造物)に依存するのではなく、自然を社会資本としても活用し、複数の社会課題を同時に解決する重要性を強調しました。

科学と政策の観点から、松井孝典氏は、 再生可能エネルギー開発における科学的データを活用し、生物多様性保全と両立するネイチャーポジティブなエネルギー計画の必要性を示しました。

企業の実践の観点から、井阪由紀氏は、積水ハウスによる25年にわたる「5本の樹」計画の事例を紹介しました。在来種を植えることで住宅の庭を生物多様性の拠点とし、生物多様性の保全と人間のウェルビーイング向上と両立するビジネスモデルを示しました。

地域レベルでの実践の観点から、三橋弘宗氏は、 中小企業や地域住民が関わりやすい「小さな自然再生」の有効性を強調しました。また、伝統的な技術や小規模な工夫により、防災と環境保全を効果的に両立させる具体策を提示しました。

本セッションの総括として、ネイチャーポジティブな社会への移行には、課題を個別に捉えるのではなく、行政、企業、研究者、市民が協力し、相互のつながり(ネクサス)を活かしたシナジーを生み出す社会実装の仕組みが不可欠であることが示されました。

キーメッセージ
  • トリプル・クライシスに対応にするには、シナジー(ネクサス)アプローチと多様なステークホルダー間の協力が必要である。再生可能エネルギーを導入する際においても、生物多様性の保全や社会のウェルビーイングとの両立が必要となる。
  • 企業が自然を中核事業に組み込むことは極めて重要である。そうすることで、ビジネスとグリーンインフラ開発が一体となり、地域の生物多様性を高め、人々のウェルビーイングを向上させる生態回廊へと変えることができる。
  • 伝統的かつ低負荷な手法を用いた小規模なコミュニティ主導のグリーンインフラは、洪水対策や生息地回復のための効果的で費用対効果が高く、かつ拡張性のある解決策となり、自然保全を持続可能な地域開発の基盤へと変えていく。

サマリ―作成者: 三輪 幸司(IGES)

パネル討論

三輪 幸司

モデレーター

三輪 幸司

IGES 生物多様性と生態系サービスユニット リサーチマネージャー


松井 孝典

パネリスト

松井 孝典

大阪大学 助教


井阪 由紀

パネリスト

井阪 由紀

積水ハウス株式会社 ESG 経営推進本部 環境推進部 業務役員/環境推進部長

2005年入社。戸建住宅の販売、海外不動産開発事業における販売企画、ESG広報を経て2023年より現職。CO₂削減、生物多様性回復、サーキュラーエコノミー施策など環境戦略を推進。


三橋 弘宗

パネリスト

三橋 弘宗

兵庫県立人と自然の博物館 自然・環境マネジメント研究部門 主任研究員 兼兵庫県立大学自然・環境科学研究所 講師

photo
photo
photo
photo
photo
photo
photo
photo
photo
photo
photo
photo