本セッションでは、「気候変動×生物多様性」を軸に、最新の知見と国内外の実践事例を紹介し、シナジーを生み出す取り組みについて理解を深めます。
神戸大学の信時正人客員教授からは、ブルーカーボンを中心に、「気候変動対策」「生物多様性保全」「地域経済活性化」を結びつける先進的なアプローチを紹介いただきます。兵庫県の「ノリ養殖に関するブルーカーボンクレジット検討会」の座長としての知見を踏まえ、ブルーカーボンの可能性や、藻場・干潟など沿岸生態系の保全・再生が地域社会や脱炭素化にどのように貢献するかについて解説します。
また、マレーシア・トレンガヌ大学のムスリム教授からは、マングローブやサンゴ礁等の沿岸生態系を活用したEco-DRR(生態系を活用した防災・減災)の最前線について紹介いただきます。防災インフラだけに依存するのではなく、自然の力を活かすことで、「生態系保全」と「地域の防災・レジリエンス向上」を同時に実現する国際的な取り組みです。
ブルーカーボンとEco-DRRという国内外の事例が交わることで、シナジーがどのような成果を生むのかを示すとともに、国際的な動向と地域の実践を結びつけ、科学・政策・地域社会をつなぐ連携のあり方を展望します。
パネル討論


パネリスト
信時 正人
神戸大学カーボンニュートラル推進本部 客員教授
和歌山市出身、東京大学都市工学科卒。
(株)エックス都市研究所理事、神戸大学客員教授、神戸市SDGsオペレーションユニットユニット長、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合理事、東京大学まちづくり大学院非常勤講師、和歌山市特別顧問他。
大学卒業後、三菱商事株式会社(情報産業、都市開発、金融事業)を経て、(財)2005年日本国際博覧会協会(政府出展事業企画・催事室長)、東京大学大学院特任教授、横浜市入庁(都市経営局理事、温暖化対策統括本部長等(横浜スマートシティプロジェクト等推進)。元東京ガス非常勤監査役、元ヨコハマSDGsデザインセンターセンター長。

パネリスト
アイディ・モハメド・シャワル・ビン・M・ムスリム
マレーシア・トレンガヌ大学(UMT)海洋環境研究所(INOS)リモートセンシング・海洋インフォマティクス部門長 兼 教授
アイディ・モハメド・シャワル・ビン・M・ムスリム教授は、1995年にマレーシア・リモートセンシング・センターの研究員としてキャリアをスタートさせ、2004年にサウサンプトン大学でリモートセンシングの博士号を取得。プロジェクト形成、戦略的計画、宇宙技術の発展に関する国家委員会に広く貢献するとともに、マレーシア政府代表として数多くの国際会議に出席しています。研究分野はリモートセンシング、GIS、地理空間データ管理と多岐にわたり、自然資源評価、環境・災害モニタリング、国家レベルの戦略計画などを対象としています。現在は、多波長センサーおよびUAV(無人航空機)技術を活用した底生生物生息域や沿岸生態系のマッピング研究に取り組んでいます。
また、政府間海洋学委員会(IOC)の活動にも深く関わっており、複数の運営グループや専門家チームのメンバーとして、国際海洋データ・情報交換(IODE)の能力開発、データ・情報管理、地域連携メカニズムなどの取り組みに貢献しています。これらの活動を通じて、人材育成、ガバナンス、品質保証、さらには国内および地域の海洋データ基盤の強化を支援しています。

