録画映像
来賓挨拶
石原宏高環境大臣は冒頭、アジア太平洋地域では気候変動・生物多様性の損失・汚染の「3つの世界的危機」や環境・社会経済的課題が深刻化し、持続可能な開発目標(SDGs)達成を困難にしていると述べました。こうした課題の解決には、トレードオフを最小化し、コベネフィットを最大化するシナジーが不可欠であると指摘し、国連環境総会で「シナジー推進決議」の採択を主導するなど、日本が一貫して積極的に取り組んできたことを強調しました。そして、実践的なシナジーの取り組み拡大には地域特性に応じた事例の共有が重要であるとして、環境省、IGES、国連アジア太平洋経済社会委員会、アジア開発銀行、国連環境計画が公表した「アジア太平洋シナジーレポート」に触れ、100を超える事例・分析をまとめた本レポートが、各国政府・自治体・企業等の実務者にとって有益な指針となることへの期待を述べました。さらに、本フォーラムでのシナジーの実践や政策の工夫に関する議論が、地域に根ざした取り組みの前進や新たな連携、具体的な行動につながるよう呼び掛けるとともに、環境省として今後もシナジー促進を図り、SDGs達成に取り組む決意を改めて表明しました。
守本真一兵庫県副知事は、本フォーラムが兵庫県で初開催されたことへの祝意を示し、IGES関西研究センターとの連携を通じて、これまで四半世紀にわたり、IGESが県の環境行政を支援してきたことに改めて謝意を表しました。続いて、2025年3月に策定した「第6次兵庫県環境基本計画」の3つの基本方針とともに、主要施策を紹介しました。「環境価値の創出」では、人と環境にやさしい農業を通じて、環境負荷軽減や生物多様性保全、温室効果ガス削減のほか、地域農業の活性化や農産物のブランド力向上に取り組んでいると紹介しました。「施策間の相乗効果の最大化」では、IGESとの連携のもと、里山保全や脱炭素化などを同時に進める地域循環共生圏の形成に取り組んでおり、複数課題の同時解決という今回のフォーラムのテーマを体現するものと強調しました。「共創力の発揮と担い手の確保」では、多様な主体による協働の重要性を示すとともに、IGESと進めている「ひょうご高校生環境・未来リーダー育成プロジェクト」に触れ、持続可能な未来の実現に向けて、将来を担う若者が国際的な視野を持ち、地域課題の解決に主体的に関わってほしいとの期待を述べました。
主催者挨拶
武内和彦IGES理事長ははじめに、気候変動・生物多様性の損失・汚染という「トリプル・クライシス」への対処を国際的に加速させると同時に、地域やコミュニティでの実践活動に落とし込んでいくことの重要性を指摘しました。ひとつひとつの課題に個別に対処するのではなく、取り組みの相乗効果(シナジー)に目を向け、複数課題の同時解決を追求する必要があると強調しました。先般公表した「アジア太平洋シナジーレポート」には、兵庫県を含む、地域で実際に進められているシナジーの事例がまとめられており、こうした試みを共有して学び合い、各地域で応用し、大きなうねりにしていく必要があると訴えました。今回のISAPを、地域でのシナジーの取り組み、そして危機を乗り越える地域力を世界に向けて発信していく機会にしたいと述べました。続いて、グリーンインフラ、気候安全保障、ブルーカーボン、生態系を活用した防災・減災、若者の取り組みといった各セッションのテーマと主要論点を紹介しました。最後に、IGES関西研究センターを拠点に、科学的に信頼できる政策実践のパートナーとして、今後も関西地域での協働を一層深めていきたいとの抱負を述べました。
サマリ―作成者: 北村 恵以子(IGES)



