2日目 7月25日(水)
9:00-10:45 全体会合3
気候変動:ダーバン後の国際枠組みとその行方
Room 503 / P-3
1)世界全体の平均気温の上昇を2℃以下に抑えるために排出削減の野心レベルをどのように引き上げるか、 2)将来枠組みにおける衡平性、共通だが差異ある責任及び各国の能力(CBDR/RC)原則のあり方、の2点に議論の焦点を当て、南アフリカ・ダーバンで開催された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第17回締約国会議(COP17)の結果について議論を行いました。
モデレーター
- 森島 昭夫 日本気候政策センター理事長
基調講演者
討論者
- 鈴木 克徳 金沢大学環境保全センター長・教授 PDF(948KB)
11:00-12:30 パラレルセッション
ダーバン後の各国気候政策
Room 503 / S3-1
世界の主要経済国における国内気候政策の最新情報と、2℃目標の達成に向けた努力に各国がどのように貢献できるかについて、中国、インド、インドネシア、日本及びドイツからの専門家と共に議論を行いました。
モデレーター
- 浜中 裕徳 IGES理事長
パネリスト
アジア都市のスマートコミュニティの普及と課題
Room 502 / S3-2
本セッションでは、北九州市東田地区で整備中のスマートコミュニティと、同様のモデルをインドネシア・スラバヤ市及びマレーシア・プトラジャヤ市で展開しようとしている北九州市とそれを支援する日本政府の取り組みについて紹介しました。これを通じ、同様の取り組みを拡大しようとする際の法整備、実施体制、技術等の障害を明らかにし、特に送配電網への接続状況や、都市間連携を通じたこのような取り組みの普及の可能性について議論を行いました。
モデレーター
パネリスト
レジリエンス(対応力)のための金融革新:
東日本大震災からバングラデシュにおける気候変動を越えて
東日本大震災からバングラデシュにおける気候変動を越えて
Room 411+412 /
S3-3
S3-3
近年、自然災害による世界的な被害が増加しており、今後もさらに増え続けると予見されています。気候変動などの要因による、これらの災害に対して最も脆弱であるのは開発途上国の貧困層です。一方、東日本大震災により、技術的に発展した国であっても自然災害に対しては脆弱であり、レジリエンスという概念が先進国にとっても重要であるということが明らかになりました。本セッションでは、日本やアジアの経験をもとに、自然災害後の再建を含む対応力(レジリエンス)確立のためのマイクロファイナンス等、革新的な金融サービスの開発と普及について議論を深めました。
モデレーター
- ヘンリー・スケーブンス IGES自然資源管理グループディレクター PDF(322KB)
- 林 信濃 IGES自然資源管理グループ副ディレクター
スピーカー
- モハマド・マフズ・カビール バングラデシュ国際戦略研究機関(BIISS)上席研究員
- ソムサック・ボロンタナラット アジア沿岸資源研究財団(CORIN-Asia)所長 PDF(466KB)
- 稲田 恭輔 国際協力機構(JICA)地球環境部気候変動対策室副室長 PDF(1.3MB)
- 齋藤 浩昭 株式会社アイリンク(三陸牡蠣復興プロジェクト)代表 PDF(1.0MB)
パネリスト
- イェ・チエン 北京師範大学IHDP総合リスクガバナンスプロジェクト国際プロジェクトオフィスエグゼクティブディレクター PDF(335KB)
- モハマド・モスレ・ユディン・サデク マイクロファイナンス研究所(InM)エグゼクティブディレクター代理
- モハマド・アブドゥル・バキ・カリリ ダッカ大学金融学部教授
12:40-14:05 ランチセッション
IGES白書IV 「アジア太平洋地域のグリーン・ガバナンス」 発表
Room 502 / L-2
ISAP2012において発表するIGES白書第4巻「アジア太平洋地域のグリーン・ガバナンス―低炭素で持続可能なアジア太平洋に向けて―」では、持続可能な開発の実現にあたり、アジア太平洋地域の抜本的なガバナンス改革が求められるとして、グリーン経済への移行を促すガバナンス改革と政策的解決策を提言しています。同白書の正式な発表となる本セッションでは、著者による研究報告を行うとともに、同地域の持続可能な開発の実現に必要な制度改革について参加者との議論を行いました。
関連情報
モデレーター
- ピーター・キング IGESバンコク地域センター上級ポリシーアドバイザー
スピーカー
14:15-15:45 全体会合4
リオ+20のその後
Room 503 / P-4
2012年6月に開催されたRio+20では、21世紀の文脈における持続可能な開発に向けた議論が活発化し、世界各国によるコミットメントが高まりを見せました。Rio+20の成果はグリーン経済や制度的枠組み、実施手段等多岐にわたり、今後、グローバル、地域、国家等あらゆるレベルのガバナンスに、多くの影響をもたらすことが期待されています。本セッションでは、Rio+20での成果を踏まえ、今後、持続可能な開発に関するガバナンスをどのように強化して行くのか、グローバルなレベルでの今後の行方を展望するとともに、こうした展開がアジア太平洋地域のガバナンス、ひいては経済、社会にどのように影響を与えるか議論を行いました。
モデレーター
- 廣野 良吉 成蹊大学名誉教授
基調講演者
討論者
- スレンドラ・シュレスタ リオ+20事務局持続可能な開発目標(SDGs)ディレクター兼フォーカルポイント
16:00-17:30 パラレルセッション
リオ+20後の制度枠組(IFSD)
Room 503 / S4-1
IFSDに関連するいくつかのプロセスが、リオ+20を契機に動き出しています。持続可能な開発委員会(CSD)を置き換える持続可能な開発のためのハイレベル政治的フォーラムの設立、国連環境計画の強化、「ハイレベルの将来世代の代表者」の機能を決定するプロセスなどです。これらのプロセスが結果を出すためには、グローバルな政府間レベルでのアクションは十分ではなく、地域、国および地方レベルでのアクションも必要であり、また通常持続可能性と関連が薄い分野や主体によるアクションも必要となります。リオ+20の成果を「家に持ち帰ること」に貢献するため、このセッションでは、アジアにおけるインプリケーションに重点を置き、どのような制度上の変化が地域、国および地方レベルで必要であり、またどのように異なった経済主体を組み込むかについて議論しました。
モデレーター
- 竹本 和彦 環境省参与 / 国連大学高等研究所シニアフェロー
スピーカー
アジアの低炭素成長に向けた緩和行動の計測・報告・検証(MRV)の 成功事例と教訓
Room 502 / S4-2
低炭素社会の構築に不可欠となる温室効果ガスの適切な測定・報告・検証(MRV)方法の確立を目指して、これまで先進国・途上国の既存制度において実施されてきたGHG排出量・削減量のMRVに関する具体的事例をもとに、次期気候変動国際枠組みの下で構築されるべき温室効果ガス排出量・排出削減量のMRV方法論及びMRV実施体制のあり方とそのための技術的・政策的課題について、特にアジア諸国の取り組むべき内容に焦点を当てて議論を行いました。
モデレーター
- 平石 尹彦 IGES上級コンサルタント(IPCCインベントリープログラム共同議長)
キーノートスピーカー
- チュン・ラエ・クウォン 国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)環境開発部部長 PDF(456KB)
スピーカー
持続可能な開発のための知識管理と実践コミュニティ
Room 411+412 /
S4-3
S4-3
本セッションでは、実践コミュニティ(community of practice) がどのように発展し、知識管理や課題設定に貢献できるのかを議論し、実践コミュニティの運営の秘訣を探るとともに、持続可能な開発の促進のために実践者はどのように情報や知識を共有し管理すべきか、またその成功のカギとは何かについて議論しました。
モデレーター
- 佐野 大輔 IGESバンコク地域センターセンター長
スピーカー
- デビッド・ガリポー 国連開発計画アジア太平洋地域センター(バンコク)知識と革新管理実践リーダー PDF(750KB)
- ヒナ・ロティア 気候と開発知識ネットワーク(CDKN)アジア地域コーディネーター / LEADパキスタンプログラム開発部統括マネージャー PDF(1.3MB)
パネリスト
- ピーター・キング IGESバンコク地域センター上級ポリシーアドバイザー
11:00-12:30 ワークショップ
都市経済のグリーン化は可能か?ガバナンスに課せられた課題:コベネフィット議論とその後
横浜国際協力センター6階 UNU-IAS
グリーン経済や持続可能な発展の創出にあたって、都市には大きな役割を果たすことが期待されています。本セッションでは、都市の文脈において、グリーン経済がどのように具現化できるか、いずれも2012年上期に発行された、国連大学高等研究所が発行したグリーン経済に関するポリシーレポートと、IGESの低炭素社会に関連する書籍をもとに紹介しました。
関連情報
モデレーター
- 久山 純弘 日本ハビタット協会/日本国際連合協会/元国連事務次長補(国連ハビタット事務次長)
スピーカー
- ジョゼ・A・プピン・デ・オリベイラ 国連大学高等研究所副所長 兼 シニア・リサーチ・フェロー
- エリック・ザスマン IGES気候変動グループ主任研究員
討論者
- ダルコ・ラドヴィッチ 慶應義塾大学教授