「廃棄物管理から資源管理へ」の視点の転換が国際的に議論されてきた一方、発展途上国やその都市は、その具現化にあたり、多くの課題に直面している。
IGES-UNEP環境技術連携センター(CCET)では、こうした転換を実現・加速するための制度や能力の強化を目指し、アジアの国・都市の廃棄物管理戦略策定と実施支援をしている。
本セッションではCSO、行政、国際機関から講演者を迎え、モルディブ、ミャンマー、日本など各国が抱える課題や実施経験に基づく学びを共有する。また、廃棄物管理政策やその実施に、いかに資源効率の概念を組込んでいけるのか、機会と課題について議論する。さらに、政策目標の設定と共有を通じ、様々な主体が共に持続可能な社会を構築する戦略的計画策定や、意識啓発の大切さについても議論する。
国連環境計画 国際環境技術センター
(UNEP-IETC)所長
キース・アルバーソン
国連環境計画 国際環境技術センター(UNEP-IETC)所長
2016年7月より国連環境計画・国際環境技術センター(UNEP IETC)の所長を務める。同センターは廃棄物管理に特化した環境に適正な技術に関する地球規模の中核的拠点として活動を進めている。センターに着任するまでの5年間はケニアのナイロビにおいて国連環境計画本部の環境政策実施局に所属し、淡水・陸地・気候担当部門のコーディネーターとして事業に従事した。それ以前はフランスのパリに拠点を置くユネスコの政府間海洋学委員会において海洋観測・サービス部長を務めた。プリンストン大学(1988)の東アジア学部で工学の学位を、マサチューセッツ工科大学で海洋物理学の博士号を取得(1995)。100以上の著書がある。Resilience: The Science of Adaptation to Climate Change(Elsevier, 2018年), Global Change and Future Earth(Cambridge, 2018年時点印刷中)、そしてPast Global Changes and Their Significance for the Future(Elsevier, 2000年)等。
IGES-UNEP 環境技術連携センター(CCET)
プログラムマネージャー
プレマクマラ・ジャガット・ディキャラ・ガマラララゲ
IGES-UNEP 環境技術連携センター(CCET)プログラムマネージャー
環境計画や持続可能な都市開発を中心とした開発計画全般を専門分野とする。日本福祉大学より開発マネージメントの博士号を取得、博士研究員として名城大学アジア研究センターに在籍した後、IGES北九州アーバンセンターにて、持続可能な都市の形成に向けた参加型計画策定やコミュニティー開発に関わる。現在は、IGES-UNEP環境技術連携センター(CCET)のプログラムマネージャーとして、途上国における統合的な廃棄物管理の実現に向けた技術支援に従事し、アジア太平洋地域で、公害がなく、資源効率の高い持続可能な社会づくりに貢献している。
モルディブ環境・エネルギー省
副大臣
アリ・アミール
モルディブ環境・エネルギー省 副大臣
モルディブ大統領の指名により2014年6月より環境・エネルギー副大臣を務める。以来、同国における複雑な廃棄物問題解決への対応に従事しており、現在は環境・エネルギー省において廃棄物対策及び環境汚染対策部の業務管理及び政策アドバイスを職責とする。22年以上にわたって公共事業分野で勤務し、2010年に辞任するまで公共事業部担当公共事業長官をつとめた。
ミャンマー 天然資源・環境保全省(MONREC) ヤンゴン地域環境保全部
所長
キン・ティダ・ティン
ミャンマー 天然資源・環境保全省(MONREC) ヤンゴン地域環境保全部 所長
現在ミャンマー天然資源・環境保全省(MONREC)ヤンゴン地域環境保全部所長。1992年から2012年にかけて国家環境委員会のフェローとして勤務し、1994年7月にはオーストラリアのアデレード大学から環境管理に関するポストグラデュエート・ディプロマを取得。現在、グリーンエコノミー、国及び都市レベル廃棄物戦略などを担当。ミャンマーのヤンゴン大学で動物学の修士号を取得、これまで環境管理の分野で24年間の職務経験があり、環境管理に関連した国際、地域、地方の研修プログラム、セミナー、会議に参加。
WE21ジャパン 事務局長
森田 夕紀
WE21ジャパン 事務局長
大学時代に世界の貧困問題に関心を持ち、NGOインターンやタイの大学院を通じて国際協力を学ぶ。2007年にWE21ジャパンに参加、2017年より現職。市民参加による資源リユース・リサイクルの拠点「WEショップ」の活動や、フィリピンでの資源開発問題の支援・啓発活動などに携わる。
IGES-UNEP 環境技術連携センター(CCET)
センター長
モデレーター
小野川 和延
IGES-UNEP 環境技術連携センター(CCET)センター長
2012年、シニアフェローとしてIGESに参加。それ以前は2002年から2011年まで国際連合地域開発センター(UNCRD)所長を務め、この間IGESの評議員としてIGESの活動にも参画。1972年京都大学を卒業後、新設された環境庁(現在の環境省)に入庁、水質管理、環境アセスメント、交通環境、地球環境分野での政策立案と日本の国立試験研究機関の環境関連研究の調整に従事。この期間を通じて、環境省とUNCRDに加え、国連環境計画(UNEP)、国際応用システム分析研究所(IIASA)、国立環境研究所、中東欧地域環境センターで勤務。
本セッションはライブストリーミングを使った”Webinar”を行いました。以下の動画からセッションの様子をご覧いただけます(英語のみ)