世界各国が国別目標(NDC)を実行に移し、温室効果ガス排出を削減している中、自治体や民間企業が低炭素技術を通じたプロジェクトを促進する革新的な方法を模索している。JCMは、日本と17の国がパートナーシップを結び、低炭素技術の投資を促進してきた。
パリ協定が脚光を浴びている中、JCMがいかにパリ協定第6条の推進に寄与しているかを理解する必要性は高い。本セッションでは、多様な登壇者の知見を生かし、JCMパートナー国の低炭素技術移転プロジェクトの進捗状況を確認する。また、JCMを通じた持続可能な開発への貢献について各国の事例を紹介し、国際交渉におけるルール策定の状況にも触れ、アジア太平洋地域の政策決定者が国際炭素市場のルールについて、どのような共通認識を持つことができれば、さらに効果的な低炭素プロジェクトを模索できるか示唆を得る。
IGES 気候変動とエネルギー領域
プログラムマネージャー
高橋 健太郎
IGES 気候変動とエネルギー領域 プログラムマネージャー
東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了(農学修士)。コンサルティング会社にて、地球温暖化対策支援・クリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクト開発に従事した後、2009 年よりCDM/JI 能力開発事業を担当。現在、二国間クレジット制度のMRVプログラムを担当し、アジア太平洋地域におけるパートナー国9か国を対象に方法論開発・プロジェクト登録やクレジット発行などプロジェクトサイクルの管理を実施。
環境省 地球環境局 地球温暖化対策課
市場メカニズム室 国際企画官
小圷 一久
環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 市場メカニズム室 国際企画官
二国間クレジット制度(JCM)に関する二国間協議、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)における国際交渉に従事。また、CDM・排出量取引制度(ETS)・JCM等の市場メカニズムに関する政策を担当。これまでにアジア太平洋地域で、京都議定書に基づくクリーン開発メカニズム(CDM)やJCMの途上国支援を実施した経験を有する。
インドネシア経済担当調整大臣府 資金協力担当 課長補佐/インドネシアJCM事務局長
チャヒャディ・ユドダホノ
インドネシア経済担当調整大臣府 資金協力担当 課長補佐/インドネシアJCM事務局長
1996年財務省入省。財務省資本市場・金融機関監督庁を経て、経済担当調整大臣府の多国間資金協力担当サブ・ディビジョン長、多国間経済協力担当課長補佐等を歴任。インドネシア セコラ・ティンギ・イルム・エコノミ大学より経済学(会計学専攻)の学士号を取得。国際大学より国際開発学及びインドネシア大学より経済科学の修士号を取得。2017年より現職。
モンゴル 環境・観光省 自然保護基金
JCM事務局
オトゴンツェツェグ・ルブサンダ
モンゴル 環境・観光省 自然保護基金 JCM事務局
モンゴル環境・観光省に2015年入省、現在は日本―モンゴル間のJCM事務局を管轄している。以前はモンゴルの国内外のすべての投資家を代表する非政府組織であるモンゴルビジネス協議会において広報部長を務め、環境とビジネスの問題に関わった。さらに、MCA-Mエネルギー環境計画において環境スペシャリストと広報部長として勤めた経験もある。モンゴル国立大学においてジャーナリズム学士、国家行政マネージメント修士号取得。
裕幸計装株式会社 取締役/ソリューション事業本部 本部長 兼 海外事業部長
菅原 俊英
裕幸計装株式会社 取締役/ソリューション事業本部 本部長 兼 海外事業部長
1984年裕幸計装株式会社入社。ビルの中央監視装置及び自動制御機器のスタートアップエンジニアとして、20年以上従事。その後、2014年にベトナム事業開発室室長・技術部門担当役員に就任。2015年にベトナム現地子会社である裕幸ベトナムの役員に就任。2017年海外事業の専門部署を設立し、現在部門長を兼務。
IGES 気候変動とエネルギー領域
研究員
モデレーター
梅宮 知佐
IGES 気候変動とエネルギー領域 研究員
緩和行動の透明性、キャパシティビルディング、市場メカニズム、REDD+を専門とし、開発途上国の中でもとりわけアジア地域を対象に研究活動やプロジェクトを実施。タイのKasetsart大学林業学部の交換研究員、国立環境研究所(NIES)の温室効果ガス・インベントリオフィスを経て現職。早稲田大学大学院人間科学研究科においてREDD+の能力開発のニーズについて研究し、博士号取得。