IGESとUNU-IASはインドにおいて低炭素技術の普及促進のための様々な研究活動を行ってきた。IGESは2016年度にエネルギー資源研究所(TERI)と連携して、日本-インド 技術マッチメイキングプラットフォーム(Japan-India Technology Matchmaking Platform: JITMAP)を創始した。UNU-IASは2017年度にインドにおける低炭素技術の普及に関するドイツと日本のアプローチの分析を行った。
本セッションはIGESとUNU-IASのインドにおける研究活動から得た重要な知見を共有することを目的としている。また、発展途上国全般、特にインドにおける低炭素技術とベストプラクティスの普及促進に向けた革新的アプローチについて、専門家を招き意見を伺う。
環境省 地球環境局国際連携課国際協力・環境インフラ戦略室長
杉本 留三
環境省 地球環境局国際連携課国際協力・環境インフラ戦略室長
現在、途上国における環境インフラの推進を含むアジア・アフリカ諸国の環境協力を担当。前職では、環境スペシャリストとしてアジア開発銀行(ADB)に派遣、環境影響評価、JFJCMの設立・実施、気候変動の適応、日本の組織との調整など、セーフガードを担当。ADBへの派遣前は、環境省にて環境と持続可能な発展にかかる事業に13年以上従事。日本の中期的なGHG削減目標のロードマップを含め、気候変動に関する国家政策開発に携わる。米国インディアナ大学より公共環境学の修士号を取得。東京大学より土木工学の修士号を取得。
国際連合工業開発機関(UNIDO)ニューデリー地域事務所 ナショナル・プロジェクト・マネージャー
アニル・ミスラ
国際連合工業開発機関(UNIDO)ニューデリー地域事務所 ナショナル・プロジェクト・マネージャー
1989年より再生可能エネルギーの推進に携わる。インド工科大学(ニューデリー)、インド・エネルギー資源研究所、ジーゲン大学(ドイツ)、国連開発計画(UNDP)、ドイツ国際協力公社(GIZ)、インド太陽エネルギー学会等での勤務を経て現職。GIZでは、プログラムマネージャーとして地方の再生可能エネルギーとバイオ・オイルの新モデルを導入するなど、インドでの再生可能エネルギーの推進に大きく貢献。
気候投資基金(CIF)代表
マファルダ・ドゥアルテ
気候投資基金(CIF)代表
83億ドル規模の気候投資基金(Climate Investment Funds; CIF)をトップとして牽引。
彼女のリーダーシップのもと気候投資基金は、気候変動に対するグローバルな取組みを加速させている。代表例として、他に類を見ない規模かつ革新的な技術を生かした再生エネルギーへの投資、70か国以上に亘るプロジェクトから得られる経験や専門知見を共有する取組みなどが挙げられる。また、資本市場から民間資金を動員するための新しい仕組み作りなど戦略的な組織方針立案をも主導している。
また、気候変動に起因する干ばつ、洪水、台風、海面上昇などを被る途上国に対して、当該被害を軽減するためのプロジェクトを幅広い分野(農業、交通インフラ、地域社会など)で推進している。
2014年に気候投資基金のトップに就任する以前には、アフリカ開発銀行と世界銀行にて気候変動関連のプロジェクト管理、様々な組織方針や戦略に関する業務に従事。
エネルギー資源研究所(TERI)産業エネルギー効率部門 シニアフェロー
プロサント・パル
エネルギー資源研究所(TERI)産業エネルギー効率部門 シニアフェロー
インド・ニューデリーに本拠を置くTERIで24年の経験ならびに、エネルギーと環境分野で約30年の経験を持ち合わせている。特に、エネルギー監査研究の実施に密接に関わり、 中小企業におけるクリーンテクノロジーの開発、デモンストレーション・普及に関する研究 エネルギー効率の向上に関連するキャパシティー・ビルディング活動などが含まれる。
Indian Institute of Technology(デリー)において、化学工学分野での技術学士号を取得、University of Warwick (コベントリー)において、製造システム工学分野での科学修士号を取得、University of Strathclyde(グラスゴー)において、プロセスエンジニアリングの修士号を取得。
グジャラート州工業技術協会(GITCO)Ltd. コンサルタント
ケタン・カカッド
グジャラート州工業技術協会(GITCO)Ltd. コンサルタント
グジャラート州アナンドにあるSardar Patel大学にてプロダクションエンジニアならびにムンバイにあるBharatiya Vidya Bhavanおいて、経営管理の学位を取得。
テクノ・コマーシャル・エキスパートとして26年の経験を持ち、そのうち、GITCOで22年の経験を持つ。様々な分野におけるMSME部門およびクラスターレベルでの準備プロジェクトレポート&キャリーアウトプロジェクトフィージビリティスタディのコンサルタント業務を担当。
様々な政府制度の評価の効率的な実施に向けて、州政府の政策立案者と緊密に協力した経験を持つ。
IGES 関西研究センター 所長 /
大阪大学 名誉教授
鈴木 胖
IGES 関西研究センター 所長 / 大阪大学 名誉教授
大阪大学大学院工学研究科修士課程修了後、同大学で工学博士号取得。1972年より大阪大学教授。大阪大学工学部長、姫路工業大学学長を経て、兵庫県立大学副学長。2006年よりIGES関西研究センター所長。現在の研究分野は循環型社会論、新エネルギー・システム。外部委員として、エネルギー・資源学会会長、科学技術諮問委員会委員長、地球環境関西フォーラム(一財)大阪科学技術センターエネルギー技術対策委員会委員等を務める。
IGES 関西研究センター
プログラムマネージャー
モデレーター
アブドゥサレム・ラビ
IGES 関西研究センター プログラムマネージャー
2007年よりIGESに勤務。主に民間の環境マネジメントと低炭素技術移転と応用に関する、ビジネスと環境分野の様々な事業を運営している。現在、日本の低炭素技術をアジアや大洋州の途上国に応用するプロジェクトのタスクマネージャーとして活躍している。包括的経済政策の博士号保持者。チュニジア出身。
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)JSPSポストドクトラルフェロー
モデレーター
リザンヌ・グルエン
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)JSPSポストドクトラルフェロー
2016年11月より国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)にてJSPSポストドクトラルフェローとして、ドイツ、フランス、イギリス、EUの低炭素技術移転(LCT)戦略や評価分析研究に携わる。2016年10月にブリュッセル自由大学 より博士号(政治学)を取得。博士論文では、気候変動枠組条約(UNFCCC)や生物多様性条約(CBD)におけるEUの交渉の効力について分析。過去に欧州委員会農業総局において勤務。アムステルダム大学政治学修士、オランダ国籍。