ISAP2019が開催される2019年7月末は、2019年に予定されている主要な国際プロセス・国際会議のうち、ちょうど国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)2019が終了したタイミングとなります。また、2019年9月23日には気候行動サミットが、9月24・25日には4年に1度行われる初のSDGサミットが国連総会期間中に国連本部で、各国の首脳級が集まる中、開催されます。特にSDGサミットでは、2030年目標を実現させる取り組みをさらに加速させる方策について、今までのレビュープロセスの見直しを含めた議論が行われる予定です。また、2019年12月にチリ・サンティアゴで開催されるCOP25については、Transport Dayを企画し、COPにあまり馴染みのない交通分野所管の大臣を含め、実施の鍵を握るステークホルダーの幅広い参画を呼び掛け、深刻化する気候変動の影響に対するアクションを加速させる会合にすることを、HLPF2019でのSDG13レビューパネルにおいて、COP25議長を務めるシュミット・チリ環境大臣が発言しています。
本セッションでは、HLPF2019に参加した黒岩神奈川県知事やベルナディアUCLG ASPAC事務局長、藤野IGES都市タスクフォースプログラムディレクターからの報告等を通じて現場の雰囲気をそのまま横浜に持ち込みつつ、アジア太平洋地域のSDGsに関する最新の取り組みを共有し、さらなる地域の連携の可能性を探るとともに、私たちがどのようなソリューションを創り出せるのかについて議論を深めます。さらに、アジア太平洋の取り組みを世界に向けて発信する上で、各ステークホルダー、そしてIGESの担う役割を探ります。
神奈川県知事
黒岩 祐治
神奈川県知事
早稲田大学卒業後、フジテレビジョンに入社。昭和63年より、「FNNスーパータイム」や「報道2001」のキャスターに。
平成21年、国際医療福祉大学大学院教授に転身し、平成23年4月、「いのち輝くマグネット神奈川」を創るとの旗印のもと、神奈川県知事に就任。
平成31年4月、「いのち輝くマグネット神奈川」をさらに進化・発展させるため、「コミュニティ再生で笑いあふれる100歳時代」を掲げ、三たび知事に就任。
環境省 大臣官房 政策立案総括審議官
和田 篤也
環境省 大臣官房 政策立案総括審議官
北海道大学大学院工学研究科修了。1988年環境庁入庁後、大気汚染対策、環境研究、技術開発、環境アセスメント、ODA、国際環境協力、地球温暖化対策などを担当(この間、大阪府庁、通商産業省、国際協力銀行への出向経験あり)。 その後、地球温暖化対策課長、廃棄物対策課長、大臣官房参事官(指定廃棄物対策担当)、環境再生・資源循環局総務課長、大臣官房審議官を経て、2018年7月より現職。
国連グローバル・コンパクト ボードメンバー/グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン 理事/国際航業株式会社 代表取締役会長/日本アジアグループ株式会社 取締役
サンドラ・ウー
国連グローバル・コンパクト ボードメンバー/グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン 理事/国際航業株式会社 代表取締役会長/日本アジアグループ株式会社 取締役
1998年Japan Asia Holdings Limitedを共同創業。グループ主要会社の代表取締役社長などを経て、2013年より国際航業株式会社代表取締役会長(現任)。
2013年から2015年まで国連防災機関(UNDRR)の民間セクターグループの議長を務め、現在はUNDRR ARISE理事。 世界経済フォーラムInfrastructure and Urban Development Industry Group 2017年度共同議長、Alliance of Climate CEO Leadersメンバー。現在、国連グローバル・コンパクト・ボード ボードメンバー、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン理事、ナショナル・レジリエンス懇談会 委員。
国立台湾大学文学部卒業、Harvard Business School Advanced Management Program 修了。
クアラルンプール市 エグゼクティブ・ディレクター(都市計画担当、副市長級)
マハディ・チェ・ンガー
クアラルンプール市 エグゼクティブ・ディレクター(都市計画担当、副市長級)
ダトゥ・ハジ・マハディ・ビン・チェ・ヌンゥは、マレーシア工科大学で都市地域計画学の学士、ストラスクライド大学(グラスゴー)で理学修士を修了。
クアラルンプール市の都市計画課ディレクター、同課の副シニア・ディレクターを歴任したのち、2015年にはカンポンバル開発公社のチーフ・エグゼクティブ・ディレクターに抜擢された。2018年6月にクアラルンプール市の都市計画担当エグゼクティブ・ディレクター(副市長級)に就任し今に至る。
マレーシアのために積極的な社会貢献をした者に与えられる称号「ダトゥ」を保有する。
独立行政法人 国際協力機構 理事
天野 雄介
独立行政法人 国際協力機構 理事
1989年京都大学大学院工学研究科交通土木工学専攻修了。同年、建設省入省。同省河川局などを経て、2002年アジア開発銀行中央・東アジア局に勤務。その後、独立行政法人国際協力機構にて地球環境部参事役、国土交通省にて水管理・国土保全局河川計画課国際室長、総合政策局海外プロジェクト推進課国際建設管理官、水管理・国土保全局下水道部流域管理官などを歴任し、2019年4月独立行政法人国際協力機構理事に就任。
都市・自治体連合 アジア太平洋地区(UCLG ASPAC) 事務局長
ベルナディア・イラワティ・チャンドラデウィ
都市・自治体連合 アジア太平洋地区(UCLG ASPAC) 事務局長
UCLG地域セクター初の女性事務局長。東京大学都市工学博士。名古屋大学で大気物理学修士、シンガポール国立大学で公共政策の修士号を取得。都市開発および関連分野の業務に15年以上従事している。JICAでキャリアをスタートした後、横浜CITY NETへ参加。日本国内の複数の大学の客員教授を務め、著書や講演も多数。
近年では国連人間居住計画(UN-HABITAT)のジェンダー問題に関する諮問グループ(AGGI)のメンバーにも指名された。地球規模および都市の環境問題に加え、戦略的都市計画、気候変動、災害管理、水資源管理における国際協力や女性のエンパワーメント、地方統治など活動範囲は多岐にわたる。
IGES 都市タスクフォース
プログラムディレクター
モデレーター
藤野 純一
IGES 都市タスクフォース プログラムディレクター
東京大学大学院博士課程(電気工学)で2100年世界エネルギーシステム分析に従事(SDG7)。2000年国立環境研究所入所。「2050年低炭素社会研究」に携わり、COP15やパリ協定に向けた日本の温室効果ガス排出量削減に関する政府の委員会に参画(SDG13)。2010年秋ごろから、「環境未来都市」構想推進協議会委員等として自治体の持続可能な街づくりを支援し、その後東京2020大会組織委員会「街づくり・持続可能性委員会」委員や「脱炭素WG」座長を歴任(SDG11)。現在はアジアの国や自治体の脱炭素化・SDGs実施支援に注力(SDG17)。2019年4月からIGES専任。