本セッションでは、気候変動への取り組みを呼びかけた昨年12月に出版されたローマクラブの報告書について、執筆者であるローマクラブ共同代表のサンドリン・ディクソン氏に基調講演を行っていただきます。
IGES気候変動とエネルギー領域の水野勇史プログラムディレクターからは、パリ協定がいかにこうした行動を促進できるのかについて、国際条約としての構造を説明し、本年12月に開催されるCOP25の見通しについてもご紹介します。その後、エネルギー資源研究所(TERI)のアジャイ・マスール所長からのコメントに続いて、参加者を交えた意見交換を行います。
ローマクラブ 共同代表
サンドリン・ディクソン
ローマクラブ 共同代表
IGES 気候変動とエネルギー領域
ディレクター
水野 勇史
IGES 気候変動とエネルギー領域 ディレクター
2007年からIGESプログラムマネージャーとして気候変動に関する新たな国際枠組みの研究や、クリーン開発メカニズムに関する途上国協力を実施。2011年から環境省国際企画官としてパリ協定採択に向けた国連気候変動枠組条約(UNFCCC)における国際交渉、京都議定書遵守のための日本政府登録簿の運営管理、二国間クレジット制度(JCM)に関する協力等に従事。2016年からIGESにてパリ協定実施指針の策定のための国際交渉支援や透明性枠組み実施のための途上国協力等を実施。東京都市大学環境学部非常勤講師。
インド・エネルギー資源研究所(TERI)所長、気候変動に関する首相諮問機関メンバー
アジャイ・マスール
インド・エネルギー資源研究所(TERI)所長、気候変動に関する首相諮問機関メンバー
2006年から2016年2月までインド政府のエネルギー効率局局長を務め、家庭、オフィス、工場におけるエネルギー効率化の責任者として、電化製品のスターラベリング制度、省エネルギービル基準、およびエネルギー集約産業を対象とした省エネルギー達成認証制度(PAT)などの先進的取組を推進。
これまで、世銀の気候変動チームのヘッド、スズロン・エナジー・リミテッド社長、緑の気候基金暫定事務局の責任者を歴任。
気候変動分野にてインドを代表する交渉官の一人であり、2015年、パリで開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)ではインド政府の報道官として活躍。また気候変動対策技術分野の世界的リーダーでもある。そのほか、産業界、金融界、シンクタンクのリーダーからなるエネルギートランジション委員会の共同議長として、企業や国家が気候フレンドリーなエネルギーの未来に移行できるよう助言を行ってきている。
IGES 戦略マネージメントオフィス 統括研究ディレクター/プリンシパルフェロー
モデレーター
川上 毅
IGES 戦略マネージメントオフィス 統括研究ディレクター/プリンシパルフェロー
1989年環境省入省、環境省総合環境政策局にて担当室長 として環境経済の政策研究に従事。そのほか、環境省自然保護局総務課の課長、また長年にわたり、日本政府の環境白書を担当。
これまでに、国際機関(経済協力開発機構(OECD)にて、環境影響評価の行政官として)、地方自治体(滋賀県自然保護課長)、大学(上智大学大学院地球環境学研究科の教授として)、企業(政府全額出資の中間貯蔵・環境安全事業株式会社の管理部長として)など、様々な業務経験により培われた広範な見識を有している。