近年、産業化の進展が著しいインドやタイなどの開発途上国において、国の定める温室効果ガス排出抑制目標の達成に向け、産業分野のエネルギー効率改善が共通の関心事項となっています。また、産業活動からの排ガス、排水、廃棄物の適正処理といった環境管理面も共通の課題となっています。
これらの課題解決のため、日系企業の保有する低炭素・クリーン技術の適用が対策の一つとなり得ます。ただし、通常のビジネスベースでの取引においては、これらの技術の適用がスムーズに進んでいないのが実状です。その理由として、1)これらの技術に関する維持管理コストも含めた長期的便益が理解されていないこと、2)これらの技術や設備の投資回収期間や投資収益率といった財務情報が十分に共有されていないこと、3)環境法令などの遵守が徹底されておらず、これらの技術の環境管理面での長所が評価されていないこと、などが挙げられます。
本セッションでは、こうした点を考慮しながら、どのような政策や規制の改変、有益な情報提供などにより、低炭素・クリーン技術の移転を促進できるかについて議論します。
アジャイ・マスール
インド・エネルギー資源研究所(TERI)所長、気候変動に関する首相諮問機関メンバー
杉本 留三
環境省 地球環境局国際連携課 国際協力・環境インフラ戦略室長
鷲見 元宏
一般財団法人省エネルギーセンター 国際協力本部 国際調査・連携部長
高橋 元
JFEエンジニアリング株式会社 海外管理部 部長
齊藤 司
IGESフェロー
(元 株式会社日立産機システム)
鈴木 胖
IGES 関西研究センター 所長
前田 利蔵
IGES 関西研究センター 副所長