家庭などから出る一般廃棄物には食品廃棄物などの有機性の廃棄物が含まれます。その量は先進国では一般廃棄物総発生量の20~30%、途上国においては50~70%と高い割合を占め、気候変動やSDGsを踏まえた資源の有効活用を考える上で、その処理のあり方は重要です。
有機性廃棄物を考えるにあたっては、(1)環境に影響をもたらす「廃棄物」として適正な処理ないしは処分を検討する視点と、(2)再利用可能な「資源」として捉えて活用を検討する視点の2つがあります。これらは並行して検討を進めることが望ましい反面、社会性や経済性、利用される技術、そして環境への対応をめぐる各ステークホルダーの立場によって、各視点への関心の有無あるいは深さが異なります。
有機性廃棄物を嫌気性発酵させることによって得られるメタンガスをエネルギーとして活用しつつ、その際に発生する処理液を液肥として利用することにより、廃棄物を資源として総合的に活用する技術は先進国・途上国を問わず利用されてきました。日本ではこれまで注目を集めることが限られてきた技術ですが、本セッションでは、このメタンガス発酵を通じた有機性廃棄物の有効利用に携わる国内外の関係者をお招きし、様々なステークホルダーとの協働の下、地域循環共生の視点を踏まえた有機性廃棄物の処理のあり方について議論を深めます。
クロディーア・ギアコーベリー
国連環境計画 国際環境技術センター(UNEP/IETC) アソシエートプログラムオフィサー
土居 健太郎
環境省 環境再生・資源循環局 総務課長
サイド・アサッド・アリー・ワーシー
エコプロ環境サービス(インド)
創設者・ディレクター
蔭山 佳秀
株式会社Jバイオフードリサイクル
代表取締役社長
小野川 和延
IGES-UNEP 環境技術連携センター(CCET) センター長
本セッションはライブストリーミングを使った”Webinar”を行います。開始時間になりますと以下からセッションの様子をご覧いただけます。
有機性廃棄物の処理技術のひとつとして、嫌気性発酵によるバイオガス事業の推進が進められています。本セッションでは、7月30日12:00~13:30に開催されるThematic Track3「廃棄物対策と気候変動ならびにSDGsの相互連携を求めて」をより具体化する形で、有機性廃棄物の処理技術について議論します。また、これまでに得られた知見、国内外の成功事例や課題を省庁、自治体、企業、研究機関といったバイオガス事業関係者と共有することで、より持続可能で資源効率的な社会に向けてパートナーシップを深めます。
あわせて、IGES-UNEP環境技術連携センター(CCET)が、アジアの国々の廃棄物管理に関する政策立案や国家・地方自治体の廃棄物戦略策定に寄与してきた経験をもとに、国内外でのバイオガス技術普及の可能性についても検討します。
スピーカー甲賀 洋輔
農林水産省 食料産業局 バイオマス循環資源課 バイオ燃料第1係長
河合 泰典
アイシン精機株式会社 イノベーションセンター主担当
岡庭 良安
バイオガス事業推進協議会 事務局長・理事
山岡 賢
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究部門 水利工学研究領域 水域環境ユニット ユニット長
小野川 和延
IGES-UNEP 環境技術連携センター(CCET) センター長